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大相撲

貴乃花親方「告発は真実」 信念貫き、角界去る

記者会見を終え一礼する貴乃花親方=東京都港区で2018年9月25日午後6時28分、長谷川直亮撮影

 大相撲の貴乃花親方(46)は25日、東京都内で約1時間半にわたって記者会見し、引退届提出を決意した理由を語った。自身が行った内閣府への告発について、「事実無根と認めるよう、有形無形の圧力を受けてきた」と主張。それでも、「告発内容は真実だ」と繰り返した。「平成の大横綱」は、自らの信念を貫き通した末の決断だったことを強調したが、専門家からは突然の決断に戸惑いの声も聞かれた。【飯山太郎】

 貴乃花親方は3月の春場所直前、弟子の貴ノ岩が被害者となった元横綱・日馬富士の傷害事件への協会の対応に問題があったとして、協会を監督する内閣府の公益認定等委員会に告発した。その後、春場所中に弟子が付け人に暴力を振るったことを受けて告発は取り下げた。ただ、貴乃花親方は会見で協会の組織統治(ガバナンス)などを疑問視した告発内容は「真実」と強調。8月以降、書面でも告発内容は事実無根ではないと訴えたが、「認めないと親方を廃業せざるを得ないと有形無形の圧力を受けてきた」と主張した。

 一方、協会は各一門に支給する助成金の使途の明確化などを理由に、全親方が現存する五つの一門に所属するように義務づけた。貴乃花親方は日馬富士事件への対応を巡って協会と鋭く対立。これが影響して他の一門からの支持者が離れ、2月の理事候補選挙で惨敗。また、一連の騒動の責任を取り、自身が結成した貴乃花一門から、自身の名前を外すよう要望。一門からも離脱して無所属になっていた。ただ、ある一門の親方は「一門のトップが貴乃花親方を受け入れるなら、一門としては従う予定だった」と明かす。

 貴乃花親方は今月の秋場所後半でも、協会幹部から告発を真実とする自身の主張を撤回するよう求められたという。一門の所属決定は今月27日が期限とされていた。「一門の一つから手をさしのべていただいていた」とも語ったが、加入の条件は自身の主張の撤回だった。

 「協会に追い詰められたのか」との記者の質問に、「私は一兵卒。追い込まれたかもしれないが、(同協会と)戦うつもりはない」と語った。【飯山太郎】

真実はどこにあるのか

 スポーツ文化評論家の玉木正之さんの話 最終的に貴乃花親方の廃業という形で終わったことは非常に残念だが、隔靴掻痒(かっかそうよう)の感がぬぐえない。もし親方の説明が正しいのであれば、自分が正しいということを公の場でもっと弁解したり反論したりすることができたはず。それもせずにいきなり引退届を出した理由が分からない。すべての親方が一門に所属しないといけないというのも昔からの慣習であり、公益財団法人の日本相撲協会が規則にすることも本当はおかしい。ここでも反論せずに辞めたことで、何かほかに理由があったのではとも思わざるを得ない。ファンも驚くばかりだろう。まずは真実がどこにあるのかを知りたい。相撲協会側の意見をきちんと聞かせてもらいたいし、貴乃花親方にも説明を尽くしてほしいと思う。

話し合う雰囲気もなく

 好角家のアーティスト、デーモン閣下さんの話 貴乃花親方の会見での説明はよく分かったが、「事実無根」とした協会と決裂した決定的なポイントが分からず、すっきりしない。意見が合わないのなら、膝をつき合わせお互いに話し合うのが組織として正しいと思うが、今回はそういう場が設けられなかっただけではなく、雰囲気も存在しなかった。現役時代は名横綱として相撲人気を支え、親方になっても数多くの関取を輩出し協会に貢献してきた。そういう人の辞め方がこういう形でいいのか疑問を持たざるを得ない。貴乃花親方だけでなく、昭和から平成の一大相撲ブームの花形力士はほとんどが協会を離れている。協会に残る魅力が欠けているのかなと思わざるを得ない。かつての花形力士が、未来の相撲界を盛り上げていく姿を見たいのに、そうなっていかないのはファンとして寂しいし残念だ。

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