宝塚歌劇

花組公演 長ぜりふに説得力=評・小玉祥子

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 最初が江戸初期に起きた「島原・天草一揆」に着想を得たミュージカル「MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎-」(原田諒作・演出)。

 復活祭の日に天草の島に流れ着いた夜叉王丸(明日海(あすみ)りお)は有力者の益田甚兵衛(一樹千尋)に、天草四郎と名付けられる。四郎は禁令に反してキリスト教信仰を貫く島民たちに関心を持ち、聖人画を描く山田右衛門作(柚香光(ゆずかれい))とマリアの絵のモデルの流雨(仙名彩世)と知り合う。島原藩主、松倉勝家(鳳月杏(ほうづきあん))の重い年貢に苦しむ島原と天草の民衆は四郎の呼びかけで反乱ののろしを上げる。

 倭寇(わこう)と呼ばれた海賊の四郎。正義とは最も縁遠かったはずが、天草の人々との触れ合いや流雨との出会いで精神的に目覚め、ついには権力への抵抗を呼びかけ、民衆を立ち上がらせることに成功する。明日海の四郎は多くの修羅場をくぐってきたであろう海賊らしい鋭さがあり、決起呼びかけの長ぜりふに説得力を感じさせた。

この記事は有料記事です。

残り381文字(全文802文字)

あわせて読みたい

注目の特集