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身じまい自習室

/12 若い層は意外にお墓好き 団塊世代より「先祖大切」 /東京

墓の形態は変容した。それでも、秋の彼岸の墓参りは続く=都内で

 先日、九州に帰省して、昨年亡くなった中・高校の同級生の墓参りをした。まだ新しい墓の前で、仲間と2人、手を合わせた。同級生の不在はこたえる。表情とか口ぶりとかカラオケの十八番とかを、ふとした拍子に思い出す。これからの自分の身の処し方まで考える。揺れる気持ちをひと区切りするための焼香だろう。「また来るよ」と言い残し、ろうそくの火を消した。

     全国約300の石材店でつくる「全国優良石材店の会」(吉田剛会長)がこのほど、お墓に関するアンケート結果を発表した。「過去最大規模」と銘打っているだけあって、20歳以上の4128人を対象にした、気合の入った調査だった。結果をみて意外だったのは、若者層が「墓好き」だったことである。

     「お墓を建てる際に候補となる埋葬方法を選んでください」(複数回答)の答えは、

     (1)一般の墓(52・5%)

     (2)永代供養(36・7%)

     (3)納骨堂(23・4%)

     (4)海洋散骨(19・4%)

     (5)樹木葬(16・7%)

     --の順だった。ところが「(1)一般の墓」の年代別・男女別の内訳をみると、「20代・女性」は64・7%、「20代・男性」は62・8%。「70代以上」の男女と比べて10~20ポイントほど高かった。また、海洋散骨に関する質問に「遺骨が手元にもどらないのはいやだ」「お墓参りに行けなくなるのがいやだ」と否定的に答えたのは「20代・女性」が最も多かった。

     さらに「墓じまいの印象」を聞く問い(いくつでも回答可)で、最も多いのは各世代とも「お墓を撤去する」で半数前後だったが、20代女性ではその次に「先祖に申し訳がない」(29・5%)「うしろめたい」(24・8%)が来た。ちなみに、墓じまいを「うしろめたい」と感じている70代以上の女性は、わずか9・7%である。

     今の時代の墓選びで重視されているのは「カネとテマ」。墓は高いし、管理費の支払いはずっと続く。そのうえ遠くて面倒、などと。この調査でも随所にそういう意識が読み取れる。

     また、終活ブームのキーワードは「子に迷惑をかけたくない」だとされる。だけど、調査結果をそのまま信じるなら、孫世代といえる20代の若者たちはむしろ、墓とか先祖を、団塊世代以上に大切に思っているということになる。この世とは別の「異界」を扱ったアニメやゲームを、若者が好むからなのか。数十年後、彼らがリアルに墓を考えるようになったとき、日本の葬送はどうなっているのだろう。

     その良さはうまく言葉にできない。でも墓参りは、親族や仲間とたまに集まり、この世にいない人たちと「対話」ができる唯一の時間である。カネもテマも、無理しない範囲で出せばいいのではないかと私は思う。【滝野隆浩・58歳】=次回は10月12日掲載

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