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余録

「遠野物語」に「ザシキワラシまた女の児なることあり」とある…

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 「遠野物語」に「ザシキワラシまた女の児なることあり」とある。ある男が見慣れない娘2人を見かけて尋ねると、孫左衛門(まござえもん)の家から近くの村の素封家(そほうか)の家へ行くという。ほどなく孫左衛門一家を惨劇が見舞った▲一家は梨の木の周りに大発生したキノコを食べ、子ども1人を残して中毒死したのだ。毒があっても水につけて苧殻(おがら)で洗えば大丈夫との使用人の言葉を信じた結果だった。山に親しんだ昔の人も毒キノコをめぐる迷信の犠牲になった▲世に伝わる危険な迷信は多い。「ナスと一緒に煮れば毒が消える」「塩漬けにすればいい」「毒キノコは色が派手」「柄(え)が縦に裂ければ食べられる」「虫が食べているのは食べられる」……すべて根拠がなく、決して信じてはいけない▲こんな注意を専門家が改めて呼びかけるのも、野生のキノコが各地に大発生しているからだ。夏の猛暑の後、台風などのまとまった雨が降って涼しくなったのが最適な生育条件となったらしい。7年前の大発生の年に似ているという▲このため各地でキノコ狩りの遭難や、毒キノコの中毒が相次いでいる。多いのは、ヒラタケやシイタケと間違えやすいツキヨタケやカキシメジなどの中毒だが、さらに食用キノコとの判別の難しい種類もある。素人判断は厳禁である▲「人をとる茸(きのこ)はたしてうつくしき」は一茶(いっさ)の句。野生のキノコに手を出せぬ素人には、観察に徹する“キノコ狩り”もある。奇妙な造形、妖(あや)しい美しさを身近な自然で楽しめるキノコ大発生の秋である。

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