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平成という時代

平成最後の年を迎えた。平成は、グローバル化やインターネットの普及を背景に社会が大きく変化し、価値観の多様化が進んだ時代だった。さまざまな変化を追うとともに、その先にある次代をどう描いていくべきか考えたい。

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平成という時代

第2部 この場所/4 渋谷・スクランブル交差点 多様性あふれる文化の発信地 育児・仕事、私が決める

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スクランブル交差点に立つ土屋絵美さん。女子高生の頃から何度もここを歩いた=東京・渋谷で12日、根岸基弘撮影
スクランブル交差点に立つ土屋絵美さん。女子高生の頃から何度もここを歩いた=東京・渋谷で12日、根岸基弘撮影

安室さんに憧れ、生き方模索

 彼女が歌い出した途端、我慢していた涙が止まらなくなった。今年3月、安室奈美恵さん(41)の最後のアジアツアーがあった中国・深セン(しんせん)。土屋絵美さん(36)は9年ぶりに家事と育児、仕事を1日半休み、東京・渋谷から駆け付けた。国内のライブはチケットが手に入らなかった。デビュー間もない25年前からずっと「常に少し先を行くお姉さん」のように感じてきた。ダンスやファッションだけでなく、子育てしながら格好良く働く姿に憧れた。

 土屋さんは8歳と5歳の2児を育てながら、地元・渋谷のNPO法人「代官山ひまわり」の事務局を務める。子育て中の母親らが企業などから受けた仕事にチームで取り組む「ロコワーキング」事業が中心。決まった事務所はなく、ウェブサイト編集や翻訳など在宅でできる作業も多い。土屋さんは正社員からフリーランスまでさまざまな働き方を経験したが「今が一番、満足感がある」と話す。

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