サンマが水揚げされること、そのサンマが食卓にのぼることが、これほどうれしいことだとは、かつて私は知らなかった。
気仙沼では、昨年サンマが歴史的不漁だった。今年も今月上旬はなかなか水揚げがなく皆やきもきしたが、先週ようやく立派なサンマが水揚げされた。その日はたくさんの人が喜び勇んでサンマを買いに走り、夜はあちこちの家からサンマを焼く匂いがした。翌日は、会う人会う人「昨日サンマ食べました?」「もちろん。おいしかったですね!」と満面の笑みで話題にした。
気仙沼の人にとってサンマの水揚げがこれほどうれしいのは、おいしいサンマを手ごろな価格で食べられるからだけではない。サンマが水揚げされれば市場関係者は潤い、魚屋は活気づき、水産加工会社は原料を確保できる。飲食店やホテルも売り物ができてほっとする。逆に不漁であれば皆苦しい。港町である気仙沼において、サンマがとれるか否かは、多くの人の暮らしに直接的に影響する。それでいて不確実性も伴うからこそ、「大漁祈…
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