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強制不妊

「苦しみなくならない」小島さん陳述 札幌地裁

札幌地裁で開かれた第1回口頭弁論の法廷内(代表撮影)

 旧優生保護法(1948~96年)下の強制不妊手術は幸福追求権などを保障する憲法に反していたとして、19歳で手術されたという札幌市の小島喜久夫さん(77)が国に1100万円の慰謝料を求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、札幌地裁(岡山忠広裁判長)であった。国側は「不法行為への賠償制度を定めた国家賠償法がある」として、違憲性についての見解を示さないまま請求の棄却を求め、争う姿勢を示した。

障害者ら、傍聴席に

第1回口頭弁論のため札幌地裁に入る原告の小島喜久夫さん(手前中央)ら=札幌市中央区で2018年9月28日午前9時46分、貝塚太一撮影

 「57年間、手術を受けたことを誰にも言えず、一人で悩み苦しんできた。裁判で勝っても人生は戻らず、苦しみはなくならない」

 旧法をめぐる一連の訴訟で初めて実名を公表した小島さんは法廷の証言台に立ち、ときおり言葉を詰まらせながら意見陳述した。妻にも長年言えなかった苦しみを吐き出し、「(今後は)私のように国の誤った法律、政策で人生を狂わされる被害者を出さないため、国が責任を認めてきちんと謝罪してほしい」と締めくくった。

 弁護団長の西村武彦弁護士も「被害者には残された人生がわずかの人も多い。できるだけ早く解決できるよう裁判を進めてほしい」と要請した。「子どもを産むことができなくなり、憲法が保障する人権を国が奪った」と述べ、謝罪と早急な被害補償を求めた。

 これに対し、国は答弁書の中で、国賠法の存在を理由に「(救済制度の)立法義務はない」と否定。原告が主張する旧法の違憲性に触れないまま、被害を訴えなかった側の問題だとの見解を示した。

 札幌地裁はこの日の弁論にあわせ、傍聴席の約6割を障害者向けに変えた。弁護団などによる「旧法はすべての障害者の命や人権、尊厳を否定している」との指摘に岡山裁判長が応えたもので、少なくとも聴覚障害者7人、視覚障害者2人、知的障害者3人が傍聴に訪れ、小島さんの陳述内容が映し出されたモニターや、手話通訳者の通訳を見つめた。

 訴状によると、小島さんは19歳だった1960年ごろ、家族との関係悪化で生活が荒れ、札幌市の精神科病院に強制入院させられた。診察なしに「精神分裂病」(当時の呼称)と診断され、手術を強制されたという。【日下部元美、源馬のぞみ】

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