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特集「里親のカタチ」

「すべての子どもに家庭を」笹川陽平・日本財団会長に聞く

「家庭という場で受ける愛情が子どもにはとても大切」と話す笹川陽平会長=山田茂雄撮影

 里親制度などの普及拡大を目指し「ハッピーゆりかごプロジェクト」を展開する日本財団。プロジェクトを全面的に後押しする笹川陽平会長(79)に支援の理念などを聞いた。【聞き手・澤圭一郎】

 ――子どもたちを幅広く支援している経緯を。

 江戸から明治期、来日した外国人が「日本人は質素な生活だが、子どもをとても大切にしている」と驚きました。脈々と続く文化だったのですね。ところが、最近はその日本人らしさが消えているように感じます。他人の子には関心がなく、「子は社会の宝」という意識が薄れてしまった。それを取り戻したいという思いがあります。

 ――プロジェクトの理念や方向性は?

 子どもは皆、平等のはずです。生まれた家庭や環境の違いで人生に格差がついてよいはずがない。子どもにとって家庭は世界の全てです。さまざまな事情で家庭で育つことができない子どもにも家庭生活のチャンスを与えるのは社会の責任。「すべての子どもに家庭がある」という当たり前の姿を目指したい。

 ――財団の調査で、20~60代の6.3%が里親になる意向を表明しています。

 私は、6・3%は高い数字だと思っています。里親に多い世帯の母数を考えると106万世帯が該当します。約4万5000人いるとされる、家庭で暮らせない子どもたちを受け入れてもらうのに十分な数字です。そこで、里親を希望する家庭が安心して子どもを受け入れられる仕組み作りが重要です。

 ――施設養育から家庭養育への転換は子どもにどのような意味がありますか。

 「生みの親より育ての親」という言葉があります。もちろんどちらも大切なのですが、米国などでは、実子と養子を一緒に育てている家庭がたくさんあります。家庭という場での愛情が子どもにはとても大切で、それによって子どもは幸せを感じます。また、当財団が支援した学術会議では、乳幼児期を大規模施設で過ごした子どもと里親家庭で過ごした子どもとの間では社会性や情動の発達に違いが生じるとのルーマニアでの研究結果を、米国の大学教授が発表しています。

 ――里親制度推進には予算を手厚くすることも必要では。

 当財団の調査によると、子どもを施設で育てる場合と里親家庭で育てる場合とでは、家庭での方が1人当たりの費用は少なくて済みます。施設から里親家庭に子どもがシフトすると、施設で必要な費用もその分減っていきます。一方、施設が里親のリクルートや研修、支援などを包括的に行うフォスタリング機関としての機能を高めるには人材育成などの費用がかかるので、そこに予算をシフトしていく必要があります。


さまざまなイベント開催

 毎年10月の里親月間やその前後には、各都道府県やさまざまな自治体、里親支援団体などが里親制度を集中的にPRする。フォーラムや講演会、トークショー、パネル展、個別相談会など。里親の体験談や里親家庭の雰囲気に接する機会も多い。各地の主な関連行事は厚生労働省のホームページで

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