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「新芸」とその時代

(48)シュヴァルツコップをめぐる「事件」

初来日時の記者会見に出席したエリーザベト・シュヴァルツコップ=1968年4月18日撮影

 今から半世紀前の1968年4月5日、東京文化会館は開演を待つ音楽ファンの静かな熱気に包まれていた。午後7時、20世紀を代表するソプラノ歌手の一人で、「ドイツ・リート(歌曲)の女王」と称されたエリーザベト・シュヴァルツコップが、淡いピンク色のドレスに身を包み、当たり役であるリヒャルト・シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」のマルシャリン(元帥夫人)さながらのあでやかな姿でステージに現れると、客席から割れんばかりの拍手がわき起こった。長い曲折の末にようやく来日公演が実現し、招請元の新芸術家協会(新芸)・西岡芳和社長は、万感の思いで嵐のような拍手に聴き入っていた。

 シュヴァルツコップは1915年、現ポーランドのヤロチン生まれ。ベルリン音楽大学で学び、38年にベルリン・ドイツ・オペラでワーグナーの「パルジファル」の花の乙女役でデビュー。42年にウィーンでリサイタルを開き、指揮者のカール・ベームに認められウィーン国立歌劇場のソリストに迎えられ、以後ヨーロッパを中心に活躍。プリマドンナとして一世を風靡(ふうび)した。その後ドイツ・リートの演奏に軸足を移し、特にフ…

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