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余録

戦後の占領下で一時導入された夏時間は「サンマータイム」と呼ばれた…

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 戦後の占領下で一時導入された夏時間は「サンマータイム」と呼ばれた。以前、小欄でそれにふれた時、占領軍の軍人の発音がこう聞こえたのだろうと書いたが違った。サンマータイムは戦前からの言葉だった▲戦後、首相となった鳩山一郎(はとやま・いちろう)が昭和初めの田中義一(たなか・ぎいち)内閣の書記官長の時に導入を提唱したのである。1929年6月27日、各省の次官を集めた会議で「まず健康の趣旨をもってわが国にもサンマータイム制度を設けたい」と呼びかけた▲だがこの日付は夏時間導入の記念日としてではなく、張作霖(ちょうさくりん)爆殺事件の処置をめぐり田中首相が昭和天皇に厳しく叱責(しっせき)された日として歴史に記録される。1週間を経ずして内閣は総辞職し、むろんサンマータイム構想は吹き飛んだ▲占領期の夏時間は不評で講和とともに打ち切られ、その後も省エネや温暖化対策での導入話が浮上するたびにつぶれた。今度もその歴史が繰り返されるようである。2020年東京五輪のサマータイムが見送られることになりそうだ▲この間の論議で、IT関連のシステム改修に万全を期すのが難しいと分かったのが大きい。さらに睡眠障害や長時間労働の不安もある。欧州連合(EU)でのサマータイム廃止の動きが報じられると、世論もそっぽを向いてしまった▲このサマータイム、日本のように一旦導入後に廃止した国は多く、導入と廃止を繰り返す国もある。EU各国の動向を見ても揺らぎの多い制度だが、五輪名目の導入案はあまりにも筋が悪かったようである。

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