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毎日新聞経済面に連日連載の経済コラム。経営者や経済評論家らが独自の視点で、経済の今とこれからを展望する。

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日本の酪農、安定供給に不安=資源・食糧問題研究所代表 柴田明夫

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 また一つ、日本の食の脆弱(ぜいじゃく)性が明らかになった。北海道地震による大規模停電で、全国の生乳生産の過半を占める北海道の酪農が大きな打撃を受けたことだ。

 牛乳の安定供給には以前から不安があった。2017年度の牛乳・乳製品の消費量1217万トン(生乳換算)に対し、生産量は729万トンで、約500万トンを乳製品のかたちで輸入に頼っている。国内の生乳生産量の約54%(400万トン弱)は牛乳向けだ。牛乳は傷みやすいことからすべて国内生産されている。

 しかし、牛乳・乳製品の消費量が拡大する一方、生乳生産量は減少傾向にある。1963年に42万戸を数えた酪農家戸数が、18年2月現在で1万5700戸と大幅に減っているためだ。仲間の廃業による減少を残った酪農家が引き受けることで、生乳生産を維持してきたのが実情だ。酪農家は、飼料の自給や乳牛1頭当たりの産乳能力を高めるための遺伝的改良などに取り組んでいる。しかし、東日本大震災、口蹄疫(こうていえき)、猛…

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