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改正労働者派遣法3年

それでも「派遣切り」懸念消えず

「何のための法改正だったのか」と不満の声、上がる

 業務に関わらず派遣労働者の派遣期間を一律3年までと定めた改正労働者派遣法が施行され、30日で3年。国は法改正の目的を「直接雇用を促すため」としていたが、相談窓口を設ける団体には「派遣切り」に関する相談が相次ぎ、派遣切りが増える懸念が消えない。正社員への希望がかなわなかった人からは「何のための法改正だったのか」と不満の声が上がる。

 秘書や通訳、「コンピューター支援設計(CAD)」システムのオペレーターなど政令で定める26業務には派遣期間の定めがなかったが、2015年9月30日の改正法施行で、他業務と同様に3年の制限が設けられた。

 改正法は、派遣会社が同一部署で3年間働く労働者に取るべき対応として、派遣先に直接雇用するよう依頼する▽派遣会社で無期契約で雇用する▽別の派遣先を紹介する--などを求めている。

 しかし、国の狙い通りには機能していない。大手建設会社でCADオペレーターとして3年勤務している埼玉県の派遣社員の女性(45)は、派遣先での直接雇用を強く望んできたが、拒まれている。「結局は、私たちが雇用の調整弁である状況は変わっていない」と嘆く。

 女性は1993年に短大を卒業した。当時は就職氷河期で就活は難航し、派遣社員として別の会社でCADの技術を磨き、正社員になった。しかし、本社が自宅から遠く離れた場所に移転したため転職を決意。15年夏に派遣会社に登録し、今の会社に派遣された。

 同じ仕事をする同僚たちは、改正法施行前に派遣会社と無期雇用契約を結んだが、ほとんどの人が以前より待遇が悪くなった。女性はその姿をみて、直接雇用を求めたが、建設会社は「前例がない」「学歴や資格が足りない」などとして応じなかったという。

 女性は「多くの派遣社員は派遣先での直接雇用を求めていると思うが、その願いはほとんどかなえられていないのではないか」と話す。「派遣先は過去最高益を上げ、大量の新卒正社員を採用している。なぜ、長く働いてきた人たちを正社員にしようという発想にならないのでしょうか」

 インターネットを通じて派遣労働者の相談を受けている「非正規労働者の権利実現全国会議」によると、7月から「派遣切りされそう」といった相談が増え始め、9月24日までに152件に上った。直接雇用を求めた場合、派遣会社が年収の3割を紹介料として労働者に求めたケースもあった。同会議の冨田真平弁護士は「直接雇用の障害になっている可能性がある。何らかの規制が必要ではないか」と語る。【市川明代、神足俊輔】

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