メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

強制不妊手術

「これが真の公開法廷」傍聴拡大 札幌地裁

第1回口頭弁論を終え、記者会見で心情を語る原告の小島喜久夫さん(中央)。右は妻麗子さん=札幌市中央区で2018年9月28日午前11時12分、貝塚太一撮影

慰謝料求めた訴訟第1回口頭弁論 弁護団「大きな一歩だ」

 旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術を強制されたとして、札幌市の小島喜久夫さん(77)が国に1100万円の慰謝料を求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、札幌地裁(岡山忠広裁判長)であった。弁護団などの求めに応じて傍聴席の約6割で障害者対応を可能にした法廷には、初めて裁判を傍聴した人工呼吸器を装着した車椅子の障害者や聴覚障害者らが訪れた。弁護団は「これが真の公開法廷。大きな一歩だ」と語った。

     一方、国側は原告が主張する旧法の違憲性について見解を示さず、請求棄却を要求。「不法行為への賠償制度を定めた国家賠償法がある」として、被害を訴えなかった原告側に問題があるとの認識を示した。

     強制不妊手術が全国最多だった北海道内で、旧法を巡る一連の訴訟の口頭弁論が開かれたのは初めて。小島さんが実名で被害を訴えたことから、裁判は障害者の関心を集め、弁護団が障害者用の傍聴席の拡充を要求。岡山裁判長が応じた。

     弁護団によると、この日の弁論を傍聴したのは少なくとも人工呼吸器や車椅子が必要な身体障害者ら5人、聴覚障害者7人、視覚障害者2人。法廷に設置された二つのモニターには、小島さんらの意見陳述の内容が振り仮名付きで表示された。弁護団が「多くの障害者がここに来ている。正しく伝えるため、ゆっくり大きな声で分かりやすく発言してください」と呼びかけると、岡山裁判長は法律用語を補足しながら話した。起立が認められた手話通訳が発言者の名前を訳すため、発言者はそれぞれ名乗ることを求められた。

     初めて裁判を傍聴した札幌市の三田村亜依さん(33)は、大学では法学部だったが、車椅子に加え、たん吸引や人工呼吸器が必要なため裁判の傍聴をためらってきた。「自分も早く生まれていれば、同じ被害に遭ったかもしれない。人ごとではない」と言った。

     知的障害のある同市の原田千代子さん(58)は「他の裁判でも、強制不妊手術問題を知りたい障害者への配慮を続けてほしい」と願った。視覚障害者の荒木ともかさん(47)は「格段に理解しやすかった」と評価した。

     小島さんはこの日、「(強制手術から提訴を決意するまでの)57年間の苦しみが消えることはない」と証言。妻麗子さん(75)が傍聴席の最前列で見守った。【日下部元美、安達恒太郎】

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 高齢男女死傷 埼玉・和光市のマンションで
    2. 地面師事件 なぜ、積水ハウスはだまされたのか
    3. コンサート 沢田研二さん本人が取りやめ 集客少なく不満
    4. 地面師事件 なりすまし容疑者 本人確認で「えと」間違う
    5. ことば 地面師

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです