特集

旧優生保護法を問う

旧優生保護法下で不妊手術を強制された障害者らの記録に関する毎日新聞の全国調査で、強制手術を受けた人の約8割に当たる1万2879人の資料が確認できなくなっていることが判明した。「記録のない被害者」をどう特定し、救済につなげるか。

特集一覧

強制不妊手術

手話で怒り、悲しみ 兵庫夫婦が「声」上げ

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
旧優生保護法を巡って国を相手に提訴し、手話で記者会見する原告の小林宝二さん(右)と喜美子さん夫妻=神戸市中央区で2018年9月28日午後2時24分、小松雄介撮影
旧優生保護法を巡って国を相手に提訴し、手話で記者会見する原告の小林宝二さん(右)と喜美子さん夫妻=神戸市中央区で2018年9月28日午後2時24分、小松雄介撮影

神戸地裁に提訴した2組の夫婦

 「聞こえる人間も、聞こえない人間も対等です」--。旧優生保護法(1948~96年)に関する一連の国家賠償請求訴訟で初めて、聴覚障害者が「声」を上げた。神戸地裁に提訴した2組の夫婦は記者会見で、半世紀以上にわたり胸に秘めてきた怒りや悲しみを、手話を通じて訴えた。

 中絶と不妊の手術を同時に受けさせられた兵庫県明石市の小林喜美子さん(86)は、つえをつく夫宝二(たかじ)さん(86)とともに、会見の壇上に上がった。結婚後ほどなく、喜美子さんの妊娠が分かったが、喜びもつかの間、母から「赤ちゃんが腐っている」などと聞かされ、中絶手術を受けた。夫婦は悲しみの底に突き落とされたが「また子どもをつくろう」と励まし合ってきた。

 だが、それから妊娠の兆しはなかった。「子どもができないのはどうして」。疑問が氷解したのは今年。旧法下で望まない手術を受けた障害者の存在を知人から聞き、自身の記憶と重なった。宝二さんは怒りで顔をしかめながら「本当にずっと苦しかったことを国に訴えたい」と強調した。

この記事は有料記事です。

残り969文字(全文1422文字)

【旧優生保護法を問う】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集