- Twitter
- Facebook
- はてなブックマーク
- メール
- リンク
- 印刷

◆円城塔(えんじょう・とう)さん
(新潮社・1944円)
文字をどう扱い、考えるべきか
文字にまつわる12編を収めた短編集。「『自分が書く日本語の文字って何なのだろう』と気になり始めて、フィクションの連作にしながら考えてみた」のだという。文字で闘う、文字が発光する、ルビが語り出す……各編が遊び心にあふれながら知性的な書きぶりで、文字の起源や可能性を探っている。
「趣味に走りました」と謙遜するが、表題作「文字渦」は雑誌掲載時から高い評判を得て、川端康成文学賞を受賞。タイトルは中島敦の「文字禍」もほうふつとさせる。
この記事は有料記事です。
残り753文字(全文1011文字)