メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

論の周辺

ベストセラーが映す時代

 ベストセラーは時代を物語るものとして、よく取り上げられる。大正教養主義を代表する本といえば、何と言っても阿部次郎(1883~1959年)の『三太郎の日記』だろう。14(大正3)年出版で、大正・昭和期の「青春のバイブル」「知的青年の必読書」となり、今も読まれている。その阿部の評伝『教養派知識人の運命』(筑摩選書)を、教育社会学者の竹内洋さんが刊行した。長年、近現代日本のエリート教育や知識人の歴史を研究し、『教養主義の没落』『学歴貴族の栄光と挫折』といった話題作を放ってきた著者だけに、積年の興味の対象だったようだ。

 阿部は山形県に生まれ、旧制中学時代に校長と対立する「学校騒動」で放校処分となり、上京する。旧制第一高校、東京帝国大哲学科に進むが、貧乏で苦学した。卒業後、しばらくは定職に就かず、失恋も重なり「八方塞がりの時代」を送るが、夏目漱石の門に入り、新聞に執筆の機会を得て文筆への道が開ける。

この記事は有料記事です。

残り1117文字(全文1518文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「新型コロナ影響で収入減る」漏らした妻への傷害容疑 夫逮捕、妻は死亡

  2. 現金給付の厳しい条件など「不満のオンパレード」自公に続出 早くも「更なる経済対策を」

  3. ORICON NEWS 本田翼、外出する若者に「がくぜんとした」 新型コロナ感染拡大防止に訴え

  4. 保育園は休園?買い占めで食料不足?補償はいつ? 緊急事態宣言で市民に渦巻く不安

  5. 慎重だった首相、なぜ緊急事態を宣言せざるを得なくなったのか その「腐心」を読む

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです