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余録

夫婦の物語である。きょうからNHK朝の連続ドラマ「まんぷく」が始まる…

 夫婦の物語である。きょうからNHK朝の連続ドラマ「まんぷく」が始まる。夫のモデルは日清食品の創業者でインスタントラーメンを生み出した実業家、安藤百福(ももふく)氏。ヒロイン福子は妻仁子(まさこ)さんがモデルだ▲戦前から戦後にかけて、夫はさまざまな事業を手がけては失敗を繰り返す。それでもはい上がる敗者復活のドラマだ。夫婦でようやくチキンラーメンを完成したのは安藤氏が48歳になってからだった。内助の功を描くドラマでもあるだろう▲本紙「毎日俳壇」の選者で俳人の小川軽舟(けいしゅう)氏が著書「俳句と暮らす」で、時代と夫婦について書いている。<蠣飯(かきめし)に灯(とも)して夫(つま)を待ちにけり>(杉田久女(ひさじょ))。久女は明治の生まれだ。小川氏は久女のように、当時は妻が夫を詠むと「世間の目が良しとする妻を演じてしまうところがあったようだ」と言う▲戦後になると夫婦の関係は変わる。「まんぷく」でも福子は当初、事業に没頭する夫に振り回され、耐えるだけの女性だった。しかし、やがて夫を支え、引っ張っていく強い女性になるという。時代の流れとともに女性が変わっていく物語でもある▲では平成の時代に女性はどう変わったのか。<夏の雨夫の目覚ましで起きる>(江渡(えと)華子)。共働きの夫婦。小川氏は「夫を描くことが自分の生活を描くことにもなっている。これが平成の時代の夫婦なのだと思う」と記す▲「まんぷく」が終了するのは来年の3月末。そのひと月後には平成が終わる。また新しい夫婦の形が生まれることだろう。

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