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キャンパスNOW

大学受験2018(2) 焦らず、秋は弱点補強  

いしはら・けんいち 駿台教育研究所進学情報事業部長。駿台予備学校に入職し、学生指導、高校営業、カリキュラム編成を担当後、神戸校校舎長などを経て、2017年4月より現職

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駿台教育研究所進学情報事業部長・石原賢一さんに聞く

 いよいよ本格的な受験シーズンが始まる。受験を乗り越えるために必要なことは何か。長年、受験指導や入試分析に携わってきた駿台教育研究所進学情報事業部長の石原賢一さんに聞いた。【聞き手・丸山仁見】

     --今後の学習法についてアドバイスをください。

     夏まで部活を続けてから本腰を入れる人もいると思いますが、焦る必要はありません。10~11月は弱点補強を念頭に置きながら進めるとよいでしょう。

     現役生の場合、地歴公民や理科は、授業の進度が遅いと最後の方で学習内容が詰まってくる可能性があります。授業では疑問点を残さず、復習の段階で確認できるように進めることが大切です。年末近くから、過去問を使った実践的な演習を行っていきます。

     学習計画には、長期、中期、短期の3種類があります。長期は志望校の入試科目や傾向、試験日程に合わせた年間の計画です。例えば、センター試験受験者は11月までは苦手克服、12月に入ったらセンター試験に向けた実践的な勉強を進める。センター試験を受けない人は、年末くらいまで基礎を固めて、年末以降は志望校の過去問や対策に取り組むなどです。中期は単元やレベル別の1カ月ごとの目標、短期は1週間ごと・1日ごとの学習プランを指します。

     中期・短期の計画を学習の進行状況を見ながら調整していくことが大切です。土日などに予備日を設け、できたこととできなかったこと、できなかった理由を確認します。例えば、2時間さぼってしまった場合、2時間を5~6日で割って1日当たりの勉強時間を少しずつ増やします。無理して取り返そうとすると、疲労が蓄積してペースが保てなくなってしまいます。

    模試の結果、冷静に分析

     --模試の上手な活用方法を教えてください。

     模試の成績表を見て志望校の合格判定が悪くても気にする必要はありません。一般的な高校では、模試を受けた3分の2の受験生は第1志望がE判定になります。勉強した成果が模試の結果に表れるのは約2カ月後です。年末まで勉強を頑張ってセンター試験を受ける頃にやっと成果が出てきます。

     むしろ、できたところと間違えたところを冷静に分析することが大切です。間違えた理由として、授業の進度に影響されたり、未習のところが出題されたりしたことも挙げられます。あるいは、得意な分野なのに、ケアレスミスで間違えたり基礎力が足りなかったりした場合もあるでしょう。

     模試を受ける時点で持っている力を最大限に発揮して作った答案なので、復習することで自分の学力に対して多くのことを発見できます。飛躍的に力を伸ばすよい材料になるでしょう。できなかった原因をしっかりと把握して、弱点を復習しながら対策を立てていくとよいと思います。

    第1志望レベルを厚めに

     --志望校選びのポイントは。

     学びたいことを学べる大学を志望校にすることが重要です。社会に出る時には大学でどれだけ自分を成長させられたかが問われます。目標を高く持つことでモチベーションの維持にもつながります。

     「自分に合う大学か」ということもポイントです。4年間ないし6年間通うので、校風や立地条件などが合っている大学を選んだ方がよいです。平日に志望校に行って、学食で食べながら学生が友人と雑談しているのを聞けば、その大学の雰囲気が分かります。

     受験数は、国公立大志望者ならプラス私立大2~3校、私立大専願者で現役生の場合は5~6校くらいが目安ではないでしょうか。レベルをワンランク落としたところを安全校として数校受け、もう少し低いところを2校ほど受けます。

     併願校を選ぶ基準としては、合格しても行かないところは受けないことです。無理に入っても中退してしまう人が多いからです。心配だからとレベルを落としすぎなくても大丈夫です。むしろ、第1志望レベルの大学をもう少し厚く受けることをお勧めします。

     私立大のセンター試験利用は定員も少なく、センター試験前に出願を行う場合も多く、合格可能性の把握が難しいです。一つ押さえておこうという気持ちで臨み、一般方式で合格を目指すのが最も手堅い方法だと思います。2月ごろに受験する一般方式は学力がさらにアップした時点で受験できることも利点です。

     --入試の傾向は。

     全体として出題に新しい傾向が見られます。センター試験で、実用的な問題や会話文を絡ませる問題など、新しい共通テストで問われる内容が先取りで出題され始めています。そうした問題は今後も増えていくと思われます。例えば、一つの教科で学習したことがそのまま出題されるのではなく、他の教科の要素を組み合わせて答えを導き出す問題なども考えられます。英語は外部試験の利用拡大がかなり進んでいます。

     --志願状況は。

     昨年度とあまり変わりません。文系は特に経済・経営・商学系の人気が非常に高いのが特徴です。理系では、理学系、医学系、薬学系の人気が低いです。狙い目ではないですが、間口が広くなっています。いずれも日程や定員の増減によって難易度が変わるので注意が必要です。

     国公立大の人気は前年並みです。ただ、難関大でもAO入試や推薦入試を増やす動きがあります。改組や再編も目立ちます。

     私立大は2016年度以降、入学定員管理の厳格化が求められており、間口が狭まり厳しい入試が続いています。その中で、志願者は増えると思われます。私立文系専願の浪人生増加と合格者絞り込みによる難化から受験生が併願校を増やそうとする動きがあるからです。中央大の国際経営学部と国際情報学部、立命館大のグローバル教養学部など、学部学科の新設も大きな要因です。とはいえ、志願者が増えるのは首都圏、関西圏の私立大で、地方は少子化の影響から増えることはないと見込まれます。

    生活リズム、崩さないで

     --受験上の心構えは。

     今まで培ってきた生活リズムを入試まで崩さないことが大切です。インフルエンザ対策を含む健康管理にも気をつけてください。少しでも体調が悪い時は体を休ませる勇気も必要です。

     スマートフォン(スマホ)との付き合い方にも注意してください。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やゲーム、アプリなどの用途で使ってはいけません。「昔テレビ、今スマホ」というくらい受験には大敵です。

     また、インターネットによる出願が可能な大学が増えています。早めに一度各サイトにアクセスしてうまくできるかチェックし、つながらない場合や不明な点は大学に確認しましょう。学部や日程などを誤って出願してしまうことも多いので注意が必要です。

     居住地外の大学の受験などで宿泊する場合、観光地などを中心にホテルが取りづらくなっているので、早めに押さえておいた方がいいでしょう。そのためには、受験スケジュールをきちんと決めることが大切です。できれば無駄なお金がかからないよう、うまく日程を組むことがポイントです。

     受験校を下見する上で、平日と土日は交通機関のダイヤが異なるので、会場までの所要時間を考えておく必要もあります。首都圏や関西圏ではICカード乗車券が普及しているので、試験会場を下見に行く際に取得しておくと切符を買わなくて済むので便利です。

    大学通信の安田賢治さん

     --受験生へメッセージをお願いします。

     自分の力を信じて真面目に勉強すれば、力が伸びていきます。模試の成績が悪かったり、第1志望の受験前に受けた大学がうまくいかなかったりする場合がありますが、途中で諦めたり、自分への負荷から逃げたりしてしまうと、途端に力が伸びなくなります。模試などは自分の失敗したところを補強していく材料だと思ってください。

     模試の合格判定がよくなくても、行きたい大学なら受けましょう。頑張れば逆転合格があるかもしれない。国公立大志願者はセンター試験の自己採点で結果が出るまで粘りましょう。諦めず頑張るしかありません。そうすれば必ず結果がついてきます。

    「入りたい大学」優先、強気で 大学通信常務取締役・安田賢治さん

    受験生や保護者は受験シーズンにどんな心構えで臨むべきか。大学受験に詳しい大学通信常務取締役の安田賢治さんに聞いた。

     大学選びでは「入れる大学」ではなく「入りたい大学」かがポイントです。今年のセンター試験の受験者で高校既卒者は約10万人です。そのうち半分が浪人生で、残りの多くは他の大学に在籍しながら受けている再受験生と考えられます。無理やり入学した大学でミスマッチを起こしてしまう学生はとても多いのです。

     今年度も定員管理厳格化による私立大の合格者の絞り込みが続くと思われます。対策として、併願校を増やすことが挙げられます。「併願校」と聞くと、すべり止めを増やしてしまいがちですが、すべり止めは確実に受かるところなので2~3校にとどめた方がよいでしょう。

     反対に強気の姿勢で臨むことが大切です。実力相応校や偏差値が足りなくても難関校を多めに受けることをお勧めします。頑張れば思わぬ合格を勝ち取れるかもしれません。

     大学を知るには、その大学に直接足を運ぶことが一番です。最近では保護者と一緒にオープンキャンパスに参加する受験生も増えてきました。大切なのは、その大学に入って成長できるか、力がつくかです。施設や立地条件もそうですが、就職先や学費、奨学金制度、グローバル化が進む中でどのような教育が行われているかも確認します。

     試験日程は、センター試験利用、私立大、国公立大などによって異なるので、受験スケジュールを一緒に確認しましょう。受験料のほか、余計なお金がかからないかを見ます。第1志望などの合格発表の前に併願校の入学手続きがある場合、納入した入学金は返ってこないので注意が必要です。

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