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平松 洋子・評『最初の悪い男』ミランダ・ジュライ/著

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ミランダだけが産みだすワンダーに満ちた小宇宙

◆『最初の悪い男』ミランダ・ジュライ/著 岸本佐知子/訳(新潮クレスト・ブックス/税別2200円)

 ミランダ・ジュライ初めての長編小説と聞けば、膝を乗り出さずにはいられない。

 その世界に激しくもっていかれたのは、ほとんど同時に接した映画と小説だった。映画は、ミランダ自身が脚本・監督・主演を務めた長編映画「君とボクの虹色の世界」(2005年作品、カンヌ国際映画祭で新人監督賞)。小説は、短編集『いちばんここに似合う人』(新潮クレスト・ブックス)。

 自由で不器用で孤独なタマシイが、せつなくもたくましい妄想と想像を繰り広げる映像と文章世界。短編集に登場するのは、たとえば水が一滴もない土地で老人たちに洗面器で水泳を教えようと試みる娘とか。

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