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原油高騰

ガソリン価格が高止まり 広がる生活への影響

 米国の対イラン制裁再発動を巡る供給減少懸念で原油価格が高騰し、国内のガソリン価格が約3年10カ月ぶりの水準で高止まりしている。冬場が需要期の灯油の値段も上がっており、国民生活への影響が広がりつつある。

     「仕事で毎日100キロくらい走るので、ガソリン代が上がると月々の経費を圧迫してしまう」。先月27日に東京都世田谷区のガソリンスタンド「シンエネ八幡山SS」で給油していた近くの塗装業、鈴木達郎さん(54)は困惑の表情を見せた。

     原油価格の国際的な指標である米国産標準油種(WTI)の先物価格は、今月1日に1バレル=75・30ドルを付けて約3年10カ月ぶりの高値となった。経済産業省資源エネルギー庁が先月27日に発表した同25日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は、前回調査と比べて60銭高い154円30銭で前週に引き続き今年の最高値を更新。約3年10カ月ぶりの高値水準が続いている。

     原油価格上昇の要因となっているのは、米トランプ政権のイラン核合意からの離脱による経済制裁の再開だ。イラン産原油を標的とする制裁再開は11月の予定だが、石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之主席エコノミストによると、トランプ大統領の呼び掛けによって各国が既にイラン産原油の購入を手控えており、イランからの供給量減が原油価格を押し上げている。

     さらに石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟の産油国が先月23日の会合で増産を見送ったことで、供給不足懸念から価格上昇圧力が加速。野神氏は「このまま需給の引き締まりが続けば、年末にかけてWTI価格が1バレル=80ドルを超える場面も出てくる可能性がある」と予測する。

     こうした動きは国内の経済や国民生活にもマイナスの影響を与えかねない。第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストによると、原油価格が上がると連動する天然ガスの価格も上昇することから、燃料費の増加で電気やガス料金も値上がりする可能性があるという。永浜氏は「これから冬を迎えて電気やガス、灯油の消費量が増えていく中、エネルギー価格の上昇が国民生活の負担感を増幅させれば、戦後最長に迫ると言われている景気回復にも水を差す恐れがある」と指摘している。【袴田貴行】

    原油価格の上昇が国内の経済や国民生活に与える主な影響

    ・灯油代など暖房費の増加

    ・天然ガス価格の上昇による電気やガス料金の値上がり

    ・燃料費の増加によるトラックや船舶など物流コストの上昇

    ・国際線の航空運賃に上乗せされる燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)の値上がり

    ・プラスチックなど石油化学製品の値上がり

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