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ノーベル賞

免疫療法競い合う 本庶さんとアリソンさん

2014年に東洋のノーベル賞と呼ばれる台湾の「唐奨」を共同受賞し、記念講演で談笑する本庶佑さん(右)とジェームズ・アリソンさん=唐奨教育基金会提供

 今年のノーベル医学生理学賞に選ばれた京都大高等研究院特別教授の本庶佑(ほんじょ・たすく)さん(76)と米テキサス大教授のジェームズ・アリソンさん(70)は約30年前から、がん免疫療法の実現に向けて激しく競い合った。2人の研究成果は近年、医療現場で相乗効果を生み始めている。

     本庶さんは1980年代、米テキサス州のアリソンさんの自宅を訪ねたことがある。免疫細胞に特有のたんぱく質の正体を突き止めようと計画し、共同研究を持ちかけたのだ。しかし、アリソンさんは別の研究者をパートナーに選んだ。結局、2人とも他のグループに先を越されてしまった。

     その後、2人は免疫にブレーキをかける要因を探り、それを取り除いてがんを治療する方法を模索する。当時の主流は、車のアクセルを踏むように免疫の働きを強め、がんを治療しようとする考え方だった。しかし、それぞれ独自の道を探り、本庶さんは「PD-1」、アリソンさんは「CTLA-4」という免疫のブレーキ役となるたんぱく質を発見した。

     2014年、2人は東洋のノーベル賞と呼ばれる台湾の「唐奨」を共同受賞した。本庶さんは「ブレーキ役を壊す成果を最初に挙げたのはアリソンさん」とたたえる。

     2人の研究成果は臨床の現場で結びつき始めている。本庶さんの研究から生まれた抗がん剤「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)と、アリソンさんの成果である抗がん剤「ヤーボイ」(同イピリムマブ)を併用すると、より良い治療効果が出ると分かってきたのだ。今年5月には悪性黒色腫に両剤を併用する治療法が認可された。オプジーボを開発した小野薬品工業によると、臨床研究では、併用で死亡リスクを45%下げる効果があったという。

     ノーベル賞も共同受賞すると決まり、本庶さんは「彼の研究と僕の研究は幸運としか言いようがないが、互いに組み合わせることでより強い効果が出る。(共同受賞は)極めて妥当だ」と話した。【松浦吉剛、松本光樹】

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