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余録

江戸時代に「相撲浪人」という言葉があった…

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 江戸時代に「相撲浪人」という言葉があった。この浪人はたとえでなく、仕えていた大名に暇を出されたという本来の意味である。力士が大名に召し抱えられていた当時、老齢で土俵を退くと相撲浪人になった▲この相撲浪人を仲立ちとして相撲興行が行われるようになったのが江戸時代の中期で、「相撲年寄」の起源である。幕府も興行を相撲年寄だけに許すようになり、年寄名跡が重んじられるようになった(池田雅雄(いけだ・まさお)著「相撲の歴史」)▲現役力士を引退した年寄による相撲興行は今日の日本相撲協会にまで引き継がれた。105の年寄名跡に加え、一世を風靡(ふうび)した名力士は一代年寄として遇される。そして今、平成を代表する大横綱だった一代年寄が大相撲から去った▲先日は力士の引っ越しが報じられ、とうとう貴乃花部屋は名実共に消滅した。振り返れば自らが協会理事を務めていた昨年来、不可解な行動で騒動を繰り返した貴乃花親方だった。結局は理事降格でも事は収まらず突然の退職である▲伯父や父は一時代を築いた名力士。兄弟横綱で平成前半の相撲人気を沸騰させ、鬼気迫る名勝負を時代の記憶に刻み込んだその現役時代である。年寄となっても、世のファンが相撲界改革のヒーロー役を期待したのは成り行きだろう▲だが土俵で勝負が決まる現役時代に対し、自分の考えを示して共感を広げ、意見の違う相手とも話し合って物事を前に進めるのが年寄の仕事だ。そこで自らのオーラをうまく生かせなかったのが残念である。

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