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女性閣僚たった1人 本気でないのが明らかに

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 「紅一点じゃ、足りない。」--。5年前、男女共同参画週間の折に政府が掲げたスローガンである。皮肉にも、第4次安倍改造内閣は、その「紅一点」の内閣となった。

 安倍晋三首相を含む20人中、女性は地方創生・女性活躍担当の片山さつき氏ただ一人。政権は政府や民間企業に、女性の意思決定参画度などを数字で表す「見える化」を求めてきた。まさに旗振り役の本気度のなさが見え見えになった形だ。

 「女性が活躍する社会」を看板政策にしながら、どういうことか。記者会見で問われた首相は、「日本は女性活躍の社会がスタートしたばかり」と釈明した。就任から5年半以上たった首相の言葉ではなかろう。

 この間、本気にさえなれば、女性の国会議員を増やし、閣僚となるべき人材も育てられた。足りなければ民間からの起用もできたはずだ。

 「閣僚待ち」状態の男性議員を多数入閣させ、党内のバランスをとる内輪の事情があったのだろう。しかし「男女共同参画」は、国内外で繰り返してきた約束だったのである。

 国際シンポジウムを開いてトランプ米大統領の娘、イバンカさんら有名人を招く。国連で演説し、「女性が輝く社会」を連呼する。そうしたパフォーマンスと、女性の能力を引き出し、個性を生かす環境を整えることは、全くの別物である。

 安倍氏は「紅一点」となった片山氏について、「超人的なガッツの持ち主」であり、「2人分、3人分の発信力を持って仕事をしていただける」と述べた。

 軽い調子の発言かもしれないが、男性以上の働きを示さなければ女性を一人前として認めない風潮が、女性の社会進出を阻んできたことを忘れてはならない。

 首相は、少子化・高齢化に正面から挑むというが、女性の力なしでは解決できない課題ばかりである。それを理解しているのだろうか。

 国外を見渡せば、スペインで18人中女性が11人という内閣の誕生など、日本との差は一段と開きそうである。だが、先を走る国も、そこに至るまでには、政治家のみならず市井の女性たちの長い闘いがあった。

 21世紀の今、1人の女性しか入閣させないリーダーをどうとらえるのか。国民の意識も問われている。

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