メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

花火大会

消えゆく夜空の華 安全確保・警備難しく

多くの人たちでにぎわった大濠公園の花火大会=福岡市中央区で2016年8月1日、矢頭智剛撮影

 福岡市で終戦4年後に始まった「西日本大濠花火大会」が今夏を最後に約70年の歴史に幕を閉じた。毎年40万人以上が楽しむ全国屈指の花火大会だったが、観客増で警備が困難になったなどとして、主催者が来年から実施しないと発表した。同様の理由で、伝統ある花火大会の中止や終了が全国で相次いでいる。

 「観覧者の増加や急速な周辺開発に伴って、安全な大会運営は大きな曲がり角に来ています」。大濠花火大会を主催する西日本新聞は、9月14日の朝刊に大会の終了を伝える社告を掲載した。

 市街地にある大濠公園で毎年8月1日に開かれてきた大濠花火大会は1949年、戦没者の鎮魂と戦後復興を願って始まった。一時中断を経て今夏で通算56回を数えたが、「福岡市の成長や交通網の整備」などで観客が急増して規模が膨れ上がり、「安全対策の限界」(社告)にきていると判断したという。

 全国の多くの花火大会が同様の課題に直面しており、京都府宇治市は昨年12月、61年から続く「宇治川花火大会」の終了を発表した。大会は京都府福知山市の花火大会会場で起きた屋台の爆発事故(2013年)や台風による宇治川の増水(14年)などを受けて休止状態だった。

 市観光協会によると、最後の大会となった13年には約20万人が訪れ約1000人の警備体制を敷いた。警備強化が求められる中、費用面でも再開が困難になったという。協会の門川大晃(ひろあき)さん(33)は「会場変更や規模縮小なども検討したが安全性が守られなかった。代わりに楽しんでもらえる行事を考えていきたい」と語る。

 兵庫県宝塚市では15年を最後に「宝塚観光花火大会」の休止が続く。1913年に始まった歴史ある大会だが、会場周辺にマンションが増え安全確保が難しくなった。会場を移すことが決まっているが、警備費用などが従来の3倍になるため再開が見送られている。主催する市などは今年8月、新しい会場で試験的に100発を打ち上げた。市観光協会の橋本隼人さん(35)は「安全面の確保を徹底した上で再開を目指したい」と言う。

 北九州市小倉北区で8月に開催される「わっしょい百万夏まつり」にもマンション開発が影を落とす。市中心部の勝山公園から打ち上げる約3000発の花火が毎年祭りのフィナーレを飾ってきたが、近隣のマンション住民から苦情が出たため、今年は高さを制限して小型花火で実施した。

 一方で楽しみにしていた市民からは「以前見えていた場所から見えなくなった」「迫力に欠ける」といった苦情が寄せられた。わっしょい百万夏まつり振興会の片岡功太さん(28)は「来年も開催する方針で、打ち上げ場所の変更など議論を重ねている。年内には結論を出したい」と話した。

 全国の花火大会のスケジュールを取りまとめている日本煙火協会(東京)は「市街地などでの開催は難しくなってきているが、新たに始まった大会もあり、全体では極端に減っているわけではない」としている。【末永麻裕】

近年終了や中止・休止が決まった主な花火大会

大会名         開催都市    最終実施年 開始年

宇治川花火大会     京都府宇治市  2013年 1961年

宝塚観光花火大会    兵庫県宝塚市  2015年 1913年

神奈川新聞花火大会   横浜市     2016年 1986年

岸和田港まつり花火大会 大阪府岸和田市 2017年 1953年

西日本大濠花火大会   福岡市     2018年 1949年

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 安田純平さん 解放の情報 シリアで3年間行方不明
  2. 大量懲戒請求 賛同した女性「洗脳状態だった」
  3. 安田純平さん 妻、会見し救出訴え
  4. 麻生太郎氏 河野外相に「常識を磨かないといかん」
  5. 救命 4階から中2飛び降り、対応の女性教諭に当たりけが

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです