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時の在りか

「靖国」など日本の戦後をテーマに取材を続けている伊藤智永編集委員が、政治を「座標軸」に鋭く論じます。

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安倍4選もあり得るわけ=伊藤智永

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総裁4選を果たした自民党大会で、佐藤栄作首相(前列左)と岸信介元首相(同右)、田中角栄幹事長(後列左)
総裁4選を果たした自民党大会で、佐藤栄作首相(前列左)と岸信介元首相(同右)、田中角栄幹事長(後列左)

 内閣改造の評判が芳しくない。「派閥配慮の論功行賞」「守りの布陣」「お友達復権」「女性活躍は紅一点へ逆戻り」……。

 自民党総裁選の党員票で石破茂元幹事長に善戦を許し、安倍晋三首相は弱気になっているとの説がある。そんな気配はない。むしろふてぶてしさを増している。

 「ポスト安倍」候補として竹下派の加藤勝信前厚生労働相を党三役へ抜てきした。母親同士が親友で親戚同然に可愛がる弟分をひいきした人情話とは違う。

 安倍首相は折に触れ竹下派に対し、首相になれなかった父・晋太郎元外相の代からの遺恨をのぞかせる。加藤氏が総裁候補になるということは、竹下派を自分の影響下に組み敷くに等しい。

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