メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

東京五輪の国費負担 二重基準は不信感を生む

 国の支出について、全く異なる二つの数字が浮かぶ事態となった。

     2020年東京五輪・パラリンピックに関わる国の経費について、5年間で8011億円が支出されていたと会計検査院が発表した。内閣官房はこれまで1127億円と公表している。実に7倍もの違いがある。

     そもそも、大会組織委員会と東京都、国の3者は大会経費について1兆3500億円で合意した。うち国の負担額は1500億円だ。検査院によると、これまでの負担分だけでも6500億円超えたことになる。

     「コンパクト五輪」を掲げた立候補段階で、経費の総額は約7340億円と見込まれた。今回発表された国の負担額や、都が今年1月に計上した関連予算などを加えると、3兆円規模になる可能性がある。

     立候補の時点で、これだけの額になると判明していれば、招致に疑問の声が出ていたかもしれない。

     費用は、運営に必要な大会経費と、大会後にも「レガシー(遺産)」として引き継がれる行政サービスなどの関連経費に区分される。

     内閣官房と検査院の基準の違いを見ると、気象衛星の活用など五輪関連として扱うには疑問があるものも、確かに含まれている。

     一方、五輪対策と捉えるべきなのに経費とされなかったものもあった。セキュリティーやドーピング対策の一部、国立代々木競技場の改修整備費などがそうだ。

     経費全体のうち、民間資本で補えるのは6000億円程度で、残りの大半は公金が投じられる。

     大会経費であれ行政サービスであれ、国民の目から見れば、五輪にかかる費用である点に違いはない。

     検査院が国に、五輪との関連性を精査して費用負担の全体像を明らかにするよう求めたのはもっともだ。

     二つの数字が並んだままでは不信感を生むだけだ。組織委などが次に予算を示す際は関連経費を含んだ額を示すべきだろう。

     コスト増による招致熱の冷え込みに国際オリンピック委員会(IOC)は頭を痛めている。

     20年大会も、費用見直しの過程でIOCから、大会経費とそれ以外を区別して示すよう要請があったという。こうした手法で招致熱を取り戻せるか疑問である。

    おすすめ記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 差別発言の長谷川豊氏、公認取り消しも 維新・松井代表が検討指示
    2. 元フジアナの長谷川豊氏が差別発言 参院選擁立予定の維新は処分検討
    3. 歌手の田口淳之介容疑者と女優の小嶺麗奈容疑者を逮捕 自宅で大麻所持の疑い
    4. サラリーマン川柳 サラリーマン川柳、今年の1位発表 「五時過ぎた カモンベイビー USAばらし」
    5. 高校担任が女子生徒とキス 6年後にシール見つかり発覚 停職3カ月 新潟県教委

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです