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社説

日韓共同宣言から20年 相互理解の精神生かそう

 日本と韓国の包括的協力をうたった「日韓共同宣言」発表からきょうで20年を迎えた。未来志向の新しい関係を目指す内容で、今日的にも大きな意義がある。

     共同宣言では、小渕恵三首相が植民地支配について「痛切な反省と心からのおわび」を表明した。これを受け韓国の金大中(キムデジュン)大統領は、日本の歴史認識の表明と戦後の平和国家としての歩みを評価した。

     互いに敬意を払いつつ、歩み寄って前進しようと双方のリーダーが国民に呼びかけたのだった。日韓間で最高レベルの文書とも言われる。

     背景には時代の要請があった。冷戦終結後、日本は自民党がいったん下野し、リベラルな政治手法が一定の支持を得た。また、韓国は1997年に通貨危機に直面し、日本からの経済支援が急務だった。

     98年に日本列島上空を通過した北朝鮮の弾道ミサイル発射が、連携強化を後押しした面もある。

     しかし、今世紀に入り、ナショナリズムの高まりを受けて歴史や領土問題をめぐる対立が再燃した。共同宣言の趣旨に逆行し、政治面での協力が大きく後退したのは残念だ。

     特に、慰安婦問題のようなデリケートな課題で互いに国内世論を刺激し合っていると、悪循環から抜け出せなくなる。

     直近では、韓国が11日に行う国際観艦式で日本に自衛艦旗の旭日旗を掲揚しないよう求めたことがあつれきを生み、日本は不参加を決めた。

     過去、98年と2008年の観艦式では韓国も旭日旗の掲揚を認めている。自国の国民感情が変わったから、というのでは日本も応じられない。やはり相手に敬意を払い合うことが出発点だろう。

     一方、民間レベルの交流が飛躍的に拡大したのは喜ばしい。20年前に金氏が日本の文化開放を打ち出したのが契機だった。若い世代を中心にお互いの文化を楽しむ人が増え、相手国への好印象につながっている。

     日韓両国の外務省がそれぞれ設置した有識者会議は、民間交流のさらなる活性化に向けた提言をまとめた。早期かつ着実に実行してほしい。

     違いを理解し、受け入れる。忍耐力がいり、時間がかかるが、粘り強く取り組むことが重要だ。共同宣言の精神に改めて思いをはせたい。

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