メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

プラごみ

「排出」と「漂着」の現場 北陸3県の現状

石川県小松市特産の大麦を使用したストロー(手前)=金沢市十間町で2018年10月2日、日向梓撮影

 プラスチックごみによる海洋汚染が世界的な問題となっている。欧州では使い捨て製品を規制する動きが進み、7月には米コーヒーチェーン大手「スターバックス」がプラスチック製ストローの使用廃止を発表した。日本海に面する北陸3県は、ごみの「排出」と「漂着」の現場でもある。現状や対策の取り組みを取材した。【日向梓】

    日本海で多く

     環境省による2016年度の調査で、日本周辺の海域に漂流する人工物のごみを調べたところ、1平方キロメートルあたりの平均個数は、日本海215.6個▽東シナ海165.1個▽太平洋158.8個。いずれの海域でも、最も多かったのは「分類不能なプラスチック製品」で、次いで発泡スチロール▽食品包装材▽レジ袋▽ペットボトル--だった。同省水環境課海洋環境室の担当者は「ごみが外海へ出て行く太平洋、東シナ海と違い、日本海はごみがたまりやすい上、北陸地方は外国のごみも入ってくる」。調査で確認したごみのうち、北陸3県付近では4割が外国のものだったという。

     プラスチックには、海中の有害な化学物質を吸着する性質がある。特に問題視されているのが、波や紫外線の作用で砕かれ5ミリ以下になったマイクロプラスチック(MP)だ。これを魚介類が飲み込み、食物連鎖を通じて有害物質が濃縮され、生態系に悪影響を与える恐れがある。

     石川県七尾市ののとじま水族館では10年以上前、保護したウミガメの体内からプラスチック片とナイロンが見つかったという。

    漂着ごみの9割

     石川県は環日本海環境協力センター(富山市)と連携し、1996年から羽咋市の千里浜で漂着ごみの調査を実施。今年8月の調査では、約1時間半で約3キロ(862個)が集まり、個数別ではプラスチック類91%▽紙類5.2%▽ガラス・陶磁器類1.6%▽金属類0.7%▽布類0.4%▽ゴム類0.3%▽その他0.8%--だった。

     今回は同センターの呼びかけで、千里浜の砂1リットルに含まれるMPの量も調べた。データがまとまるのはこれからだが、県廃棄物対策課の道下博之課長は「今まではMPを見ていなかっただけだと実感した。砂と区別がつかないほど小さなものもあり、どれだけの量が砂浜や海に紛れているのか想像もつかない」と話す。

    脱プラの動き

     同センター調査研究部の中山純一部長によると、海岸の漂着ごみは国内から出たものが大半という。意図的な廃棄物より、川沿いで飲食した際などに風に飛ばされて海へ出て行くケースが圧倒的に多い。「なんの気なしに置いた食品トレーやラップが、海を漂うごみになっていくのです」

     2050年には、海洋生物の総重量を、海中のプラスチックごみが上回るという予測もある。中山部長は「海を漂うごみを回収するのは難しい。それよりも、ごみとなる製品を減らしたり、ごみをなるべく出さない努力をする方が合理的」と指摘する。

     民間の動きも始まっている。雑貨などの企画・輸入販売会社「ロータスコンセプト」(金沢市山の上町)は今夏、小松市特産の大麦を使ったストローを完成させた。麦わらを煮沸、乾燥させてカットしたもので、小松商工会議所や地元農家と相談して試作を重ねた。蒲田ちか社長は「企業も市民も、ごみを出さない生活に切り替えていく必要がある」と語った。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 東京都 「障がいは言い訳」ポスター、批判で撤去
    2. サッカー日本代表 森保Jウルグアイ撃破 4得点で3連勝
    3. 訃報 仙谷由人さん72歳=元衆院議員、元官房長官
    4. サッカー日本代表 南野、中島、堂安…世代交代で活性化
    5. 特集ワイド 麻生氏続投にブーイング 責任取らない副総理兼財務相 発言に共感性なく デフレ対策でも「失格」の声

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです