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岡崎 武志・評『ヨーコさんの“言葉” じゃ、どうする』ほか

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今週の新刊

◆『ヨーコさんの“言葉” じゃ、どうする』佐野洋子・文、北村裕花・絵(講談社/税別1300円)

 佐野洋子が逝って8年。ますます懐かしく愛(いと)おしくなる。佐野洋子・文、北村裕花・絵『ヨーコさんの“言葉” じゃ、どうする』は、NHK・Eテレの番組を書籍化したシリーズの、これが完結編。

 佐野のエッセーから抽出した言葉に、北村が絵をつける。いわば大人の絵本。これが効きます。失恋した女友だちは、食事に八つ当たりする。「壮烈に荒れ狂った食欲が、彼女の悲しみの深さだった」と、つねに観察は直裁で、言葉は簡潔。それが佐野洋子だ。

 「悪魔も天使もごっちゃまぜが子供なのである」「人に親切にするのは難しいことだ」「私は無駄なものが好きだった」と、見え過ぎる目で、思うところを金言にし、矢のように放ち真実を貫いた。これは孤独にならざるを得ない。

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