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木村 衣有子・評『新復興論』小松理虔・著

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揺れる心を包み隠さずきれいごとを廃する

◆『新復興論』小松理虔・著(ゲンロン/税別2300円)

「福島県は、震災後、急速に『まじめなこと』をしなければいけなくなった」

 ぐっと横に長い福島県は、三つの地域から成る。太平洋側から、浜通り・中通り・会津。それらが三つの県に分かれていたとしても疑問は抱けないなというほど、気候が異なる。ざっくりいうと、温暖な海っぺり、県庁のある盆地、雪深い米どころ、と。それにより人の気質も違ってくる。

 『新復興論』は、いわき市の小名浜という港町に生まれ、今もそこに暮らし「ローカルアクティビスト」と名乗る小松理虔(りけん)さんが、「浜通り通信」というタイトルで2014年より続けていた連載が基になっている。そのページの1/3以上を「食」の話が占める。福島第一原子力発電所沖に船を出して釣りをするツアーをはじめたわけ。かまぼこメーカーに勤めていたあいだのこと。福島産品を避けたがる人との付き合いかた。

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