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キャンパスNOW

大学受験2018(4) 関西新たな動き 学部新設で魅力競争 

来春、三つの学部を再編する京都産業大
大阪いばらきキャンパスにグローバル教養学部を新設する立命館大

 これまで10年ほど安定していた18歳人口が今年から減少に転じる。それと軌を一にするように、関西圏の大学では、競争力を高めるため各大学が学部・学科の改組や新設をする動きが目立つ。来春の動きを紹介する。【清水隆明】

    変革の総仕上げ 京産大

     関西圏で、大きな変革を行うのが京都産業大(京都市)だ。3学部と学科で姿を変える。

     まずは、外国語学部国際関係学科の募集を停止し、国際関係学部国際関係学科を開設する。1年次に約3週間の海外研修「海外フィールド・リサーチ」が必修となる。政治、経済、共生の切り口から国際社会の諸課題を客観的に読み解き、解決に向けて取り組む力を修得する。

     次に、総合生命科学部を生命科学部に再編し、先端生命科学科、産業生命科学科を設置する。生命科学の課題のうち「医療・健康」「食糧・資源」「環境・生態」の三つの分野を研究対象に、実験科学を追究する「先端生命科学科」と、生命科学の知見を社会に還元する「産業生命科学科」の二つのアプローチからの解決を目指す。

     一方、経営学部は経営、ソーシャル・マネジメント、会計ファイナンスの3学科をマネジメント学科に再編する。社会構造が劇的に変化する中、三つの知的領域「ドメイン」を自分の目的に合わせて組み合わせ、幅広く学修する。ヒト、モノ、カネ、情報、時間といった経営資源を統合的に管理する能力を養う。

     「学問と企業をむすぶ」を建学の理念とした同大は、創立50周年を迎えた2015年、15年後の大学像を描いて所在地(上賀茂・神山)から名付けた総合計画「神山STYLE2030」を策定している。

     教育改革の一環として、策定前年の14年から外国語学部を皮切りに思い切った学部・学科の改革を続けてきた。来年4月はその総仕上げとなる。同大学長室の山田正和課長は「今後も文系、理系にこだわらず学問を融合させ、目まぐるしく変化する時代に対応した総合的な学びの環境を整えていきたい」と意気込む。

    「入り口」と「出口」を明確化

     大阪大(大阪府吹田市)は、薬学部にある6年制の薬学科と4年制の薬科学科を6年制の薬学科に集約し、世界をリードする薬学研究者の育成を目指す。薬科学科では取得できなかった薬剤師の国家試験受験資格が全員得られるようにする。

     兵庫県立大(神戸市)は、経済学部と経営学部を、国際商経学部と社会情報科学部に再編する。社会情報科学部ではビッグデータを活用した研究、国際商経学部では国際社会で活躍できる創造力と自律性を磨く。

     今年、大学を設置する法人が創立130周年を迎えた追手門学院大(大阪府茨木市)は、経営学部の経営学科、マーケティング学科の2学科体制を経営学科のみとし、学科の中に経営・マーケティング、法務、ビジネス心理、情報システムの4専攻を設定する。入学時から専攻別に募集することで、受験生に専門領域を意識させて学びを深めてもらう。

     同じく経済・経営系では大阪経済法科大(大阪府八尾市)は、経済学部にあった経営学科を経営学部経営学科とし、経済学部経済学科の定員も160人から200人に増員する。AI(人工知能)やビッグデータなどビジネスの多様化が進む中、商学、会計学、ビジネス統計学など経営に特化した学問を学ぶ。同時に、経済学科の規模も拡大する。

     花園大(京都市)は、社会福祉学部児童福祉学科の募集を停止し、発達教育学部発達教育学科を設ける。学科内に幼児教育コース▽初等教育コース▽義務教育学校(保健体育)コース--を設置。「発達と成長」をテーマに、教育と福祉の両視点を併せ持つ教員を養成する。

     現代生活学部こども学科を教育学部こども教育学科に改組するのは帝塚山大(奈良市)だ。「先生が何を教えるか」から、「子どもたちが何をできるようになるか、やる気や自主性を引き出す」能力を持った教員を育てる。

     女子大では、武庫川女子大(兵庫県西宮市)が文学部教育学科から教育学部教育学科に改組するほか、京都女子大(京都市)は家政学部生活福祉学科を発達教育学部教育学科養護・福祉教育学専攻に改め、さらに同学部に心理学科を設置する。

     関西国際大(兵庫県三木市)は、人間科学部経営学科を経営学部経営学科に、教育学部英語コミュニケーション学科を国際コミュニケーション学部英語コミュニケーション学科に衣替えする。今年、創立20周年を迎え、現在の3学部5学科から5学部5学科体制に移行。入学(入り口)と就職(出口)のルートを明確化し、グローバル化とセーフティー教育を強化する。

    国際人育成に本腰 立命館大

     一方、立命館大(京都市)は、大阪いばらきキャンパスにグローバル教養学部グローバル教養学科を新設する。昨年、研究力・教育力の両面で国際的に評価の高いオーストラリア国立大(ANU)と協定を締結。単位互換を実現して2大学の学位が取得できる。入学定員は100人で、日本国内30人、海外から70人(ANU枠10人)を見込んでいる。

     同学部は全授業が英語。「文化・地域研究」「歴史研究・社会理論」「経営理論、科学・技術論」の3本柱を軸に問題を自ら発見、解決する力を高める。3年生の1年間はANUへ留学する。入学前後で高度な英語力が求められるが、同大初の学部専門「学修支援室」を設けて手厚くバックアップする。

     オーストラリアは高等教育の質が高いうえ、時差が少なく親日的で治安もいい。学部長に就任予定の金山勉教授は「新学部の成否が大学の成否につながるというぐらいに感じている。NPOを設立して世界を変えようとか、国際問題でリーダーシップを発揮しようというような気概のある高校生を待っている」と期待を込める。

     京都府立大(京都市)は、文学部に和食文化学科を開設する。ユネスコの無形文化遺産にも登録されて世界から注目される和食を、人文、社会、自然科学の多角的分野から捉え、その魅力を国内外に発信できるよう高い知識と教養を身につける。

     経営学部ビジネスデザイン学科が誕生するのは桃山学院大(大阪府和泉市)。AIやロボットなど急激な技術革新に対応するため、これまでの「分析、調査」から「企画、実践」にも学びの重点を移す。

     四天王寺大(大阪府羽曳野市)は、看護学部看護学科を増設する。教育方針である「和のこころ」の精神に基づき、地域の福祉・看護に貢献する人材を育成する。教育学部教育学科では、小学校・幼児保育▽中学校英語・小学校▽保健教育の3コースを▽小学校教育▽幼児教育保育▽中高英語教育▽保健教育--の4コースに専門・細分化する。

    大物経済人が理事長就任

     19年の大学創立50周年を機に、校名を京都先端科学大に変更するのは京都学園大(京都市)。「科学」は学問の総称の意味で、より深い専門性と先進性を備えた人材を育てたいという思いを込めた。今年3月に同大を運営する学校法人京都学園の理事長に就任したのが、同市に本社を置くグローバル企業、日本電産の永守重信会長だ。

     校名変更とともに京都太秦キャンパス(同市)に新棟を建設し、京都亀岡キャンパス(京都府亀岡市)から人文学部心理学科を移転させる。20年には工学部と大学院工学研究科の新設を予定。学生寮を建設して留学生を受け入れ、国際水準の大学を目指している。一代で日本電産をグローバル企業に育て上げた永守理事長の手腕が、大学経営にどう生かされるのかが注目される。

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