メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

キャンパスNOW

大学受験2018(5)九州地区 九大移転が完了 活気づくキャンパス 

この秋、伊都キャンパスへの移転が完了した九州大
各項目で進路指導教諭の評価が高い福岡工業大

 来春の入試では、首都圏や関西圏の大学で学部・学科の新設などの動きがある中、九州地区はどうなるのか。近年の動向も含め、さまざまな角度から探った。【中根正義】

     今春の入試において、九州地区で最も話題を集めたのは半世紀ぶりの新学部となる共創学部を開設した九州大だ。同大としては12番目の学部。文理融合系の学部として人文、社会、自然科学の各分野を横断する形で学生自らがカリキュラムをデザインしながら履修するという点だけでなく、海外の大学などへの留学も義務付けるなど、学びの内容がユニークなこともあり、志願者を集めた。

     そしてこの秋、同大が2014年度から進めていた福岡市西区の伊都キャンパスへの移転が完了した。275ヘクタールという広大なキャンパスでは、産官学連携によるプロジェクトなどが始まり活気づく。

    福岡国際医療福祉大が開学

     九州地区は来春、福岡国際医療福祉大が福岡市早良区に開学する。医療学部のみの単科大で、理学療法、作業療法、視能訓練の3学科(定員各40人)がある。2年制の言語聴覚専攻科もあり、リハビリテーション専門職を養成する。

     学部・学科の新設に関しては、九州地区の大学はそれほど大きな動きはなく、鹿児島純心女子大人間教育学部や第一工業大航空工学部などにとどまっている。

    九州の進路指導教諭が評価 「面倒見が良い」…福工大 「グローバル教育」…APU

     週刊「サンデー毎日」と大学通信は2004年から全国2000の進学校進路指導教諭に、どのような大学を評価しているかを調査している。今年は824校から回答を得た。そこで、九州地区の進路指導教諭から見た、評価の高い大学を見てみよう。

     各校の担当者には「面倒見が良い」「就職に力を入れている」などの項目を聞き、それぞれ5校を選んでもらい、評価の高い大学から5ポイント、4ポイント……と加点して集計した。

     まず、「面倒見が良い」を見ると、全国6位、九州1位に福岡工業大が選ばれている。また、「就職に力を入れている」「改革力が高い」といった項目でも高評価を得ている。同大は今春まで一般入試で12年連続で志願者を増やし続けており、この間に約3倍、9200人を集めるまでになった。連続志願者増を続けている大学で同大に続くのは龍谷大(京都)と桃山学院大(大阪)だが、7年連続にとどまっている。福岡工業大の改革にかける努力が分かる。

     国立大の九州工業大学長から福岡工業大に転じた下村輝夫学長は「学生の質をアップさせるために、キャリア支援も含めた面倒見の良さにこだわっている」と話す。同大の併願校になっている上位3校は九州工業大、福岡大、北九州市立大だが、ダブル合格した場合に福岡工業大を選ぶケースが着実に増えており、その理由を聞くと「面倒見の良さ」を挙げる入学者が多いという。

    時代に合わせた学部改革や入試改革で評価が高まる九州産業大

     「面倒見が良い」や「就職に力を入れている」「改革力が高い」といった項目では、九州地区の上位に九州産業大も名を連ねる。少子高齢化、高度情報化という社会の変革期を踏まえ、学部改組・新設や、同大独自の育成型入試をはじめとする入試改革などに積極的に取り組んでいる。そうした姿勢が、九州の進学校進路指導教諭たちからも評価されている。

     「グローバル教育に力を入れている」では、立命館アジア太平洋大(APU)がトップ。全国でも4位にランクインする。世界約90の国・地域から学生が入学し、日本人学生も全国から集まる。今年1月にライフネット生命の創業者で同社社長・会長を歴任した出口治明氏が学長に就任し、話題を集めた。この項目では他地区の国際教養大や国際基督教大が名を連ねているが、九州は地理的にアジアに最も近い地域だけに、キャンパスのグローバル化について、九州地区の大学の課題も垣間見られる。

     このほか、「入学後、生徒の満足度が高い」では、東京大、京都大とともに、九州大や西南学院大、熊本大といった九州の伝統校が名を連ねた。

     ランキングにはないが、西日本工業大は地元自治体や地元企業と連携し、環境問題や地域活性化などに取り組む地域連携プロジェクトで定評がある。地元企業へのインターンシップなども充実しており、高い就職率を誇る。約半数が地元の福岡県内に就職する。

     創立90周年を迎えた久留米大は、先端がん治療やバイオ分野などの研究拠点になっている。地元高校でがん教育の出前授業を行い、市民公開講座も実施するなど、地域連携にも力を入れている。

    増える給付型、奨学金を有効に活用

     志望校を決めるのと同時に考えておきたいのが学費のこと。国立大の初年度納付金標準額は約82万円。私立大は入学金と授業料などを合計した初年度納付金の平均額は社会科学系が125万円、理工系は163万円にもなる。家計の負担は大きく、家族との相談は欠かせない。

     今年6月に高等教育無償化が閣議決定され、世帯年収によって入学金や学費の減免や、奨学金給付をすることが決まった。実施は2020年度以降なので、来春、大学に入学する受験生が、その恩恵を受けることはない。しかし、制度そのものが充実してきており、チェックはしておきたい。

     奨学金として、よく知られているのが日本学生支援機構(JASSO)の制度で、約4割の学生が利用している。これまでは卒業後に返済しなければならない貸与型のみだったが、昨年度から、返済の必要がない給付型が導入されている。

     対象は住民税が非課税もしくは生活保護世帯などの生徒。月々の給付額は自宅通学者が国公立大2万円、私立大3万円、自宅外通学者は国公立大3万円、私立大4万円だ。

     近年、一般入試の前に予約ができ、合格と同時に給付が決まる事前予約型の奨学金が増えている。家計の状況や評定平均値などの条件が整っていれば、予約ができる。

     首都圏では、早稲田大や慶応大、青山学院大、立教大、中央大、法政大、学習院大などが導入している。ただし、1都3県(東京、埼玉、千葉、神奈川)以外の高校に在籍する受験生を対象にしているものが多く、注意が必要だ。

     関西圏でも立命館大などが実施しているが、同志社大や関西大、関西学院大などでは地域の制限を設けずに実施している。国立大でもお茶の水女子大や電気通信大、新潟大、広島大、九州大、佐賀大などでも導入が進む。

     ここ数年、大都市圏の大学を中心に、夜間部に通う学生が増加傾向にある。そうした学生を支援する制度も充実してきている。

    夜は学生、昼は大学職員 福岡大で新制度

     東洋大は、夜間部にあたるイブニングコースに「独立自活」支援推薦入試がある。制度を利用した学生は学費の半分が奨学金として大学から給付され、残りを同大に勤務した時の給与でまかなう。東京電機大は工学部第2部で、入学と同時に同大の学生職員になる「はたらく学生入試」を今春から実施している。

     福岡大は16年4月から、商学部第2部で学生が大学の事務スタッフとして働くことができる「学内ワークスタディ」をスタートさせた。来年度からは、同大の卒業生などからの寄付金による新たな給付型奨学金制度を始める。

     対象は入学定員の約1割、20人程度を想定し、授業料相当額を全額給付する。大学に在学しながら専門学校などで実務的な知識を学ぼうという学生に、20万円を限度に学習支援金も給付する。同大商学部長の井上伊知郎教授は「経済格差の拡大によって家計が困窮し、進学したくても断念せざるを得ない若者が多くいる。そうした若者を支援したい」と話す。

     家計の状況を気にせずに大学進学ができる方法はある。JASSOのホームページには、地方自治体、企業などが独自に設けているさまざまな奨学金の情報を紹介している。志望校のホームページを調べたり、高校の進路指導の先生や志望大学の窓口に問い合わせてみるなど、情報収集をしてみよう。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. ORICON NEWS 南海キャンディーズが衝撃のコンビ不仲を初告白 『しくじり先生』復活
    2. 「やめて」と制止も被告止まらず 同乗の女性証言 東名あおり事故公判
    3. 東名事故誘発 あおり公判 「パトカーにも幅寄せ」検察指摘
    4. センバツ「21世紀枠」候補9校を発表 釧路湖陵、八尾など
    5. 東名あおり 強固な犯意「常軌逸している」 懲役18年判決

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです