メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

サンデー毎日発

全国301私立大 入試スケジュール 明暗を分ける「併願プラン」

勝利の連立方程式を解け!

 少子化による18歳人口の減少にもかかわらず、私立大入試は厳しさを増している。19年度入試もその傾向は変わらない。入試の日程や方式をうまく組み合わせることでリスクをなるべく回避しながら、第1志望を狙いたい。

     私立大の難化は2018年度入試(18年春入学)でも止まらなかった。主要110大学の一般入試の倍率(志願者数÷合格者数)を前年と比較すると、4.1倍から4.7倍に上がっている。総定員が8000人以上の大学に対する定員管理の厳格化の影響だ。15年度の入学者は定員の1.2倍まで超過が認められていたが、16年度から是正が進み、18年度は定員の1.1倍を超えると補助金不交付になるため、入試の合格者数が絞り込まれたのだ。ちなみに、定員管理が厳格化される前の15年度の入試倍率は3.5倍で、18年度と比較すると大きな開きがある。

     19年度の入試に関しては、これまでとほぼ同様の措置となることが決まったが、代々木ゼミナール教育総合研究所の主幹研究員、坂口幸世さんは、こう話す。

     「定員を少しでもオーバーできない私立大は、少なめに合格者を発表して、繰り上げ合格で定員を埋めるという慎重な姿勢を変えないでしょう。少子化にもかかわらず、私立大入試の競争率は18歳人口が多く入試が厳しかった1990年代に戻ってしまったようです」

     18歳人口は92年に205万人と戦後2度目のピークを迎え、その後減少局面に入るが、それでも99年は155万人で、現在より40万人近く多かった。「大学全入時代」といわれた私立大入試は、定員管理の厳格化により、時代が逆戻りしたようだ。

     合格者の減少に加え、志願者増により難化含みの大学もある。

     「中央大が2019年度に新設する国際情報は、情報系学部人気に加え、東京都心にできるため、初年度からとても難しくなると思います。桜美林大のビジネスマネジメント学群も都心に移ります。両校に限らず、都心にキャンパスが移る大学は要注意です」(代ゼミの坂口さん)

     中央大は国際経営と国際情報の2学部を新設する。前者は同大のメインキャンパスである東京郊外の八王子市の多摩キャンパスだが、後者は市ケ谷キャンパス(新宿区)に設置される。桜美林大・ビジネスマネジメント学群は、東京郊外の町田市から新宿区に開設する新宿キャンパスに移る。

     19年度に入学する学生のキャンパスが、2年次以降に郊外から都心に移る大学には、川崎市の生田キャンパスから神田キャンパス(千代田区)に移る専修大・商や、神奈川県平塚市の湘南ひらつかキャンパスからみなとみらいキャンパス(横浜市)に移る神奈川大・経営、日進キャンパス(愛知県日進市)から名古屋市内の名城公園キャンパスに移る愛知学院大・法などがある。いずれも利便性アップにより難化しそうだ。

     合格者の絞り込みや大学固有の要因で高倍率の大学が多くなるとみられるが、リスク回避の方法を予備校関係者はこう話す。

     「幅広い教科を履修した学生を獲得したいというメッセージを入試に込める大学が増えています。科目数が多い入試方式は志願者が少ない傾向にあるので、準備ができている受験生は視野に入れたい」

     入試科目数を増やす大学を見ると、跡見学園女子大の一般C方式が、英語と国語のいずれか1科目選択から2科目必須になり、大阪商業大は2科目型で実施していたAとB日程に3科目型を加える。近畿大は、3教科3科目で実施していた農と工のセンター前期に4教科4科目型と5教科5科目型(工は4教科5科目型)を追加し、生物理工のセンター前期で、これまでの2教科2科目型に5教科5科目型を加える。

     英語の民間試験で高いスコアの保持者にも追い風が吹きそうだ。21年1月にセンター試験に代わって実施される大学入学共通テストの英語で民間試験が利用されることもあり、私立大の一般入試で使う大学が増えているのだ。活用方法は大学によりさまざまで、スコア提出を出願条件とする方式や、スコアを点数化したり、一定以上のスコアがあれば英語を満点とみなす方式がある。19年度入試では、北海学園大や工学院大、玉川大、東京電機大、日本女子大、法政大、関東学院大、金城学院大、西南学院大などで、全学部もしくは一部の学部や学科で英語民間試験を活用した入試方式を導入する。

    受験費用を抑えつつ併願数を増やす方法

     私立大入試難化のリスク軽減のため、ここ数年、受験校数を増やす傾向も強まっている。代ゼミの坂口さんは言う。

     「受験生の併願校数は確実に増えています。ただ、以前は早慶上智とMARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)、日東駒専(日本大、東洋大、駒澤大、専修大)という3グループにまたがる、難易度差が大きい併願パターンでしたが、今は2グループまでと難易度の幅が狭い中で校数を増やす傾向にあります」

     同じグループ内の併願が増える背景には、同一大学内における出願のしやすさがある。成蹊大は一般入試で複数の方式に同時出願する際、2出願以降の受験料を1万円割り引く。法政大のT日程と英語外部試験(民間試験)利用入試では、2学部目以降を2万円割り引き、関西大は同じ試験日の同一学部内で併願する場合、2万円割り引くなど、多くの大学で受験料の割引制度がある。19年度入試では、関東学院大が3科目型、2科目型、英語外部試験利用の3方式などに1受験分の検定料で出願できる「スマート3併願」を導入する。ぜひとも活用したい制度だ。

     高倍率が予想される私立大入試だが、さまざまな方式がある学部個別日程に加え、全ての学部が同一日に試験を行う全学部日程や、出願するだけで合否が決まるセンター方式など、受験機会は数多くある。入試本番をイメージして併願プランを組み立ててみると、入試突破のイメージが湧くのではないか。【大学通信・井沢 秀】

    *週刊「サンデー毎日」2018年9月9日号より転載。この特集には「2019年 全国301私立大 入試スケジュール」の表があります。そちらは実際の誌面で確認してください。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 梅毒啓発へ漫画「コウノドリ」無料公開 講談社
    2. ORICON NEWS 南海キャンディーズが衝撃のコンビ不仲を初告白 『しくじり先生』復活
    3. ふたご座流星群、14日ピーク 夜半過ぎから好条件で観測
    4. 「やめて」と制止も被告止まらず 同乗の女性証言 東名あおり事故公判
    5. センバツ「21世紀枠」候補9校を発表 釧路湖陵、八尾など

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです