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インドネシア地震

怒りと失望 「せめて体の一部でも…」

液状化で大きな被害が出たバラロア地区の現場=中スラウェシ州パルで2018年10月8日、小泉大士撮影

 【パル(スラウェシ島中部)小泉大士】インドネシア・スラウェシ島で9月28日に発生した地震と津波で、インドネシア国家防災庁は9日、死者数が2000人を超えたことを明らかにした。同国政府は11日で大規模な捜索活動を終了する方針だが、多数の犠牲者が依然がれきや泥の下に埋まったままでいるとみられ、行方不明者の家族の間には、怒りやあきらめの気持ちが交錯している。

 同庁は9日、死者数を2010人、特定できた行方不明者を671人と発表。しかし同庁は、液状化の被害が著しいパル市内のバラロア、プトボの両地区で約5000人が行方不明となっているとの見方も示した。一方、同庁のストポ報道官は「発生後2週間で緊急対応期間が終わる」と述べ、12日以降は捜索活動の規模を縮小する方針を示している。

 バラロア地区住民の弁護士、アブドゥルラフマン・カシムさん(58)は親族14人が犠牲になり、遺体が見つかっていない人もいるという。「重機による作業が本格化してまだ数日。捜索をやめるならまず被災者と話し合うべきだ」と不満をあらわにした。

 主婦、ヌルハヤティさん(46)は「ここに夫が(埋まっている)」と捜索を頼んだが、救助隊に「向こうが先」と断られた。「せめて夫の姿が見たい。変わり果てていても、体の一部でも、と神に祈っている」

 バラロア地区に津波の被害はなかったが、液状化現象により数メートル沈み、1000棟以上の家屋が倒壊した。数キロ四方にわたってがれきが散乱。モスク(イスラム礼拝所)の尖塔(せんとう)は大きく傾き、まるで地区全体が空爆を受けた跡のようにも見えるほどだった。

 露天商のアルワンさん(26)の両親が営んでいた雑貨店も全壊。液状化によって隆起したアスファルトが屋根を押しつぶし、周囲は直径数メートルにわたり陥没、軒下に車が埋まっていた。父親は7日に遺体で見つかったが、母親は行方不明のまま。「国軍や救助隊はできることをしている。捜索を打ち切るなら、あとは自分たちの手でやるしかない」と覚悟したように話した。

 政府は今後、バラロア、プトボ両地区から住民を集団移転させたうえで、両地区を共同墓地にすることを検討している。

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