メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

北海道地震

歴史物語る建物も被害 再建の動き模索も

全壊した石蔵を前に「先祖からの遺産を何らかの形で残したい」と語る末平正幸さん=北海道安平町早来大町で、遠藤大志撮影

[PR]

 胆振東部地震で、入植期の歴史を物語る貴重な建物も大きな被害を受けた。震度6強を観測した北海道安平町では、町の有形文化財に指定された複数の石蔵が倒壊。一部は既に解体されたが、地域のシンボルとして再建を模索する動きもある。

     「町の歴史がなくなっていく」。同町早来大町にある築約100年の石蔵が重機で崩されていくのを眺めながら、上田舞子さん(40)はつぶやいた。

     町史などによると、石蔵は当時の電力会社「勇払電灯株式会社」の本店として1919年に建てられた。44年ごろから病院として使用され、2008年に町が文化財に指定。約30年前から空き家となっていたが、レトロな雰囲気にほれ込んだ上田さんらが改装して昨年11月にカフェを開いたばかりだった。

     だが、地震で倒壊。所有者は直すことを諦め、町は文化財指定を解除する方針という。上田さんらは「本当に惜しい。ただ石蔵の最後をにぎやかなカフェで締めくくることができて幸運だった」と唇をかみしめた。

     同地区のコンビニ店経営、末平正幸さん(58)が所有する店の隣の石蔵も全壊した。曽祖父・雛次さんが米蔵として26年ごろ建てたとされ、08年に町文化財に指定された。商品のワインや日本酒の貯蔵に活用。コンサートを開くなど憩いの場でもあった。

     末広さんは「元の姿に戻したい。ただ自力での再建は難しく、どういう方法があるのか知恵を貸してほしい」と訴える。町教委は「町の予算で修復するのは難しいが、一部保存などの選択肢はありうる」としている。

     道内の歴史的建造物に詳しい札幌市立大の羽深久夫教授(建築史)は「全壊前の写真などがあれば、直せる建物も少なくない。撤去前に自治体に所有権を移し公費で復旧するなど、柔軟な判断も考えられるのではないか」と指摘した。【遠藤大志】

    おすすめ記事
    広告
    毎日新聞のアカウント
    ピックアップ
    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. ORICON NEWS 15歳美少女4人組「@ onefive」“正体”判明 顔見せビジュアル&MV一斉公開

    2. 平成の事件ジャーナリズム史 (2)綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人事件 メディアと被害者との溝、一挙に可視化

    3. 福岡・天神ビブレが来年2月閉店 「天神コア」「福岡ビル」合わせ再開発

    4. 「こんなこと想像も」停電、断水のタワマン疲れ果て 武蔵小杉ルポ

    5. キャバクラ暴行死 10代母、なぜこんな目に 全公判傍聴

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    今週のおすすめ
    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです