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東電事故

遺族ら「正直に話して」 16日から被告人質問

これまでの29回の公判のうち27回を傍聴した古川好子さん。公判内容を記録したノートは既に3冊になる=東京都中央区で、蒔田備憲撮影

 東京電力福島第1原発事故を巡り、旧経営陣3人が業務上過失致死傷罪に問われた刑事裁判は16日に東京地裁(永渕健一裁判長)で被告人質問が始まり、大詰めを迎える。東電旧経営陣が事故の責任に関し、法廷で詳細に語るのは初めてとなる。公判の傍聴を続けてきた被災者らは「被害を受けた人の気持ちを受け止め、正直に話してほしい」と訴える。

     同罪に問われているのは、勝俣恒久元会長(78)と、武黒一郎(72)▽武藤栄(68)の両元副社長。福島原発告訴団の告訴・告発に対し、検察は2013年に不起訴処分としたが、検察審査会が2度にわたって「起訴すべきだ」と判断し、16年に強制起訴された。いずれも無罪を主張している。

     事故後、福島県富岡町から避難し、会津若松市で生活する古川好子さん(55)は、これまでの全29回の公判のうち27回を傍聴してきた。「今まで知らなかった事実を見聞きできた」と振り返り、「(公判を)記録に残して伝えることが、事故を経験した私たちの責任だと思う」と語る。

     法廷で印象に残ったのは、事故後の避難中に亡くなった被害者の遺族の供述調書が読み上げられた時の3被告の表情だという。「あまりに平然としていて、いらだちを覚えた。(被告人質問では)被害者たちの思いをどう受け止めているのか、謝罪の言葉を並べるだけでなく、ちゃんと自分の言葉で表現してほしい」と願う。

     これまでの公判では、震災前に津波対策を「先送り」したとして武藤元副社長の名前が挙がる場面が多かったが、古川さんは「(他の2被告が)経営に大きく関わることをまるで知らなかったとしたら、不自然。全てをさらけ出してほしい」と力を込める。

     一方、事故時、双葉病院(大熊町)に入院していた義父の藤吉正三さん(当時97歳)を亡くした大井義和さん(80)=茨城県日立市=は「義父は『100歳まで生きる』が口癖だった。事故による避難がなければ、もっと長生きできた。(3被告は)ウソをつかず、正直に説明してほしい」と訴える。

     これまでの公判の内容はニュースなどで知る程度だったが、今後の推移を注目しているという。「多くの人が亡くなり、今も避難生活を強いられている人がいる。(3被告が)何も責任を問われないというのは、正直、納得いかない。都合の悪いことを隠さず、やったこと、やらなかったことを正直に話してほしい」と語った。

     被告人質問は16、17日に武藤元副社長、19日に武黒元副社長、30日に勝俣元会長に対して行われる。【蒔田備憲】

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