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アジアパラ

自転車銅の藤井 亡くなった双子の妹の分まで

ジャカルタ・アジアパラ大会の自転車女子個人追い抜き(運動機能障害C2~5)で銅メダルを獲得した藤井美穂(右)=インドネシア・ジャカルタで2018年10月11日、成田有佳撮影

 【ジャカルタ成田有佳】ジャカルタ・アジアパラ大会の自転車女子個人追い抜き(運動機能障害C2~5)で藤井美穂(23)=楽天ソシオビジネス=が銅メダルを獲得した。双子として生まれるはずだった妹が母の胎内で亡くなり、自身は右大腿(だいたい)部が壊死(えし)した状態で生まれた。「その子の分まで死にものぐるいになりたい」と門をたたいたこの世界。「東京パラリンピックではもっと良い色のメダルをつかむ」と誓う。

     バンクが歓声で包まれていた。11日の3、4位決定戦。傾斜のある1周250メートルの走路12周のタイムで競う一戦、中盤に疲れがのぞいたが、終盤に再び盛り返した。「自分自身で取るまで、他人のメダルは絶対に触らない」。まぶしかった仲間のメダルを発奮材料にし、その輝きを自身の胸に下げた。

     水戸市出身。妹は死産し、自身は帝王切開で低体重児で生まれたが、生後10日で壊死した右足を切断した。幼い頃から、家族でお墓参りに行くと妹へと小さな菓子を供えた。「私はせっかく生きている」。妹の分まで強く生き「どこでも片足でぴょんぴょん跳ねていた」。

    ジャカルタ・アジアパラ大会の自転車女子個人追い抜き(運動機能障害C2~5)3、4位決定戦で好走する藤井美穂=インドネシア・ジャカルタで2018年10月11日、成田有佳撮影

     小学5年の頃、テレビでパラリンピックを見て「障害者でも戦える場所がある」と知った。中学時代から競技用義足を付け、陸上競技の走り高跳びに取り組んでいたが、義肢装具士から女子のこの種目が4年に1度のパラ大会の対象種目外だったことを聞いた。2014年に競技転向し、義足なしでペダルをこぐ。「世界を目指す」という目標が明確になり「日々伸び続け、まだ成長期」と感じる。

     ランウエーを歩くモデルとしても活躍する。東京パラで「会場をいっぱいにしたい」と意気込む。藤井のレース中、会場からは「頑張って」の日本語の声援が上がり、試合後はスマートフォンを手にした大会ボランティアらが写真撮影の列を作った。藤井は「2年後の東京パラでは、走っている選手の国の言葉で応援してもらえたらきっとうれしい」と頬をゆるめ、飛躍を誓った。

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