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ファミマ

ユニー切り離し スーパー再建をドンキに託す

ユニーの子会社化が決まり握手するドンキホーテHDの大原孝治社長(左)とユニー・ファミリーマートHDの高柳浩二社長=東京都豊島区で11日午後、藤渕志保撮影
ユニーの業績の推移

 ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)は、独自の手法で売り上げを伸ばすドンキホーテHDと手を組み、不振が続く総合スーパー子会社ユニーの再建を託すことになった。両社は売り上げ規模(フランチャイズ店の売り上げを含む)が年4兆7000億円に上る小売りグループとなるが、業態を超えて相乗効果を生み出せるかどうかが課題になりそうだ。

 「食品の依存度が高く、想定以上に厳しくなってきた」。ユニー・ファミマの高柳浩二社長は11日の記者会見で、ユニーの自力再建を断念した理由を述べた。

 コンビニ業界3位だったファミリーマートは2016年9月、コンビニ業界4位の「サークルKサンクス」と総合スーパー事業を傘下に持つユニーと経営統合。コンビニの店舗数は業界2位に浮上したが、不振が続く総合スーパー事業の立て直しが課題で、当時から売却も視野に入っていた。

 17年8月にドンキHDがユニー株の40%を引き受ける資本・業務提携を締結し、今年2~3月にユニーとドンキの共同店舗をオープン。高い陳列棚で品ぞろえを増やす独特の商品配置やインカム(無線機)を使った効率的な接客など「ドンキ流」の導入が奏功し、6店の平均売り上げは前年比9割増と好調なことが、ドンキによるユニーの完全子会社化を後押しした。

 ドンキは今後5年で約100店のユニー店舗をドンキ型店舗に業態転換する方針。ユニーが地盤とする中部地区を中心に、大幅に店舗網を拡大することになる。

 ユニー・ファミマがユニーを切り離すだけでなく、ドンキに2割超を出資する背景には、ユニー・ファミマの親会社である伊藤忠商事の長期戦略がある。ファミマはセブン&アイHDやローソンなどの同業他社と比べ、購買データの活用などで後れを取っている。伊藤忠はファミマを中心とした電子マネーなど金融関連事業の構築を進めており、これまでのスーパーとコンビニに加え、ディスカウントストアをグループに加えることで取得できる情報量を拡大する方針だ。

 ただ、ドンキの大原孝治社長は今回のグループ化について「日本にとどまらず、世界に冠たる業態を築き上げるという決意の表れ」と語るものの、具体的な相乗効果は見えにくい。海外進出などでどこまで協業が図れるかが問われそうだ。

【今村茜、斎川瞳、藤渕志保】

苦境が続く総合スーパー事業

 大手流通業界はコンビニ事業が好調だが、今回のユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)に限らず、総合スーパー事業では苦境が続いている。大手各社ともテコ入れを急ぐが、ドラッグストアやインターネット通販など他業態の台頭で存在感の低下に歯止めがかからないのが現状だ。

 「総合スーパーは食品で稼ぐ業態だが、ディスカウントストアやドラッグストアなど食品を安く売って集客するモデルが増えた。ユニーの競争環境は厳しい」。11日に記者会見したユニー・ファミマHDの高柳浩二社長が指摘するように、ドラッグストアは医薬品だけでなく、日用品や食品を強化。経済産業省によると、17年の物販の電子商取引(EC)の国内市場規模は前年比7・5%増となるなどネット通販も広がりを見せている。衣料品の「ユニクロ」、雑貨の「無印良品」など特徴ある専門店に比べ、「総合スーパーには何でもあるが、強みになっていない」(商社幹部)など、課題は根深い。

 他業態の影響を受けているのは、ユニー・ファミマだけではない。流通大手イオンが10日発表した18年8月中間連結決算でも好調な海外事業がけん引し、売上高に相当する営業収益も本業のもうけを示す営業利益も過去最高だった一方で、総合スーパー事業の営業損益は58億円の赤字と厳しい状況が続く。

 セブン&アイHD傘下のイトーヨーカ堂も、店舗削減などの構造改革を進めてきた。今年4月には西日本を中心にスーパーを展開するイズミ(広島市)との業務提携を発表した。イトーヨーカ堂は東日本が地盤であることから、西日本での店舗の共同運営や仕入れの統合なども検討し、補完関係を狙う。大手各社は、あの手この手で総合スーパー事業の改革を進めている。【横山三加子】

 【キーワード】ドン・キホーテ

 1989年に東京都府中市に1号店を開業。社名の由来はスペインの文豪、セルバンテスの名作「ドン・キホーテ」で、主人公のように既成の常識や権威に屈せず、新しい流通業態を創造したいとの願いを込めた。隙間(すきま)なく商品を積み上げて陳列した迷路のような店内とともに、安さがウリでキャッチフレーズは「驚安の殿堂」。日用品から家電、パーティー用品まで扱う商品は幅広く、若年層に人気だ。訪日外国人旅行者の需要も取り込む。ドンキHDは2007年に経営不振の中堅スーパー長崎屋を買収。08年から生鮮食品などを強化した生活密着型の「メガドン・キホーテ」を展開している。長崎屋などを含めた国内総店舗数は379店舗(今年6月末)。

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