メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

インドネシア地震

悲劇の頂、遺体930人 共同埋葬に

夕闇の中、共同墓地に埋葬された遺体の前で祈りをささげる国軍兵士ら=インドネシア・中スラウェシ州パルで2018年10月10日、モハマド・ファズルル撮影
袋に包まれた犠牲者の遺体を運ぶ救助隊ら=インドネシア・スラウェシ島で2018年10月11日、AP

発生から2週間 12日に不明者捜索を打ち切りへ

 【パル(スラウェシ島中部)小泉大士】インドネシア・スラウェシ島で多くの犠牲者を出した地震は、12日で発生から2週間を迎える。11日までに2073人の遺体が収容され、その半数近くが身元不明のまま、津波が押し寄せたパル湾を望む山頂の墓地に共同埋葬された。国家防災庁は、当初の予定から1日延長し12日に行方不明者の捜索を打ち切る方針。震災の悲劇と教訓を語り継ぐため、パル市当局には墓地に記念碑を建てる計画も持ち上がっている。

     「今度は何体?」「4体だよ」--。埋葬作業を手伝うボランティアが、救急車の運転手に声をかけた。サイレンの音が聞こえると立ち上がり、手袋とマスクを着けて遺体の到着に備える。

     山頂には共同墓地として縦約50メートル、横5メートルの穴が掘られ、黒やオレンジ、黄色の袋に包まれた遺体をおろしていく。数があまりにも多いため、穴の大半がすでに埋まった。11日までに930人が埋葬されたという。

     墓地には家族を捜す被災者の姿もあった。公務員エド・ユダルマさん(38)の自宅は液状化現象で泥に埋まり、妊娠5カ月の妻(37)と三女(8)が行方不明。遺体袋のチャックを開け、顔を確認したが別人だった。

     「もしかしたらと思って来てみた。妻は重傷で病院に運ばれ、話ができないのかも」

     当初は身元確認のために病院で数日安置していたが、最近は大半の遺体を収容場所から直接運ぶ。パル市内の日中の気温は約40度。国軍のマンスル大尉(51)は「遺体の腐敗が激しく、感染症が懸念される。早急に埋葬する必要がある」と話す。

     イスラム宣教師の男性(36)は、女子大生のめい(24)の遺体が運ばれたと聞き、駆け付けた。埋葬直前、財布の中に残された免許証で身元が分かり、遠方に住む両親の代わりに訪れた。本人と確認し、遺体を隣接する個人用の墓へと移した。

     共同墓地は山に囲まれ、市街地や海が見渡せる。電気が復旧した街の明かりが夕闇にきらめく中、国軍兵士らは祈りをささげる。

     震災3日目から埋葬を続ける市環境局のフィルマンさん(52)は「初日はやはりつらかった。なぜこんなことにと、自然と涙があふれた」と振り返る。

     犠牲者の尊厳を傷つけないよう、遺体袋を運ぶときは必ず四隅に手をかける。200人以上の遺体を収容した日は、未明まで作業を続けた。

     「墓の上には記念碑を建て、市民が訪れる場所にしたい。悲劇を忘れないためにも」

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 東京都 「障がいは言い訳」ポスター、批判で撤去
    2. 記者不明 「殺害の証拠発見」AP報道 サウジ総領事出国
    3. EM菌 効果「承知していない」 環境相、否定的考え示す
    4. 訃報 仙谷由人さん72歳=元衆院議員、元官房長官
    5. 警視庁 「地面師」聴取へ 積水ハウス55億円被害

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです