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ロシア宇宙船緊急脱出

解説 ISSに影響避けられず

打ち上げられるソユーズロケット=カザフスタン・バイコヌール宇宙基地で2017年12月17日、酒造唯撮影

 打ち上げに失敗したロシアのソユーズロケットは、国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士を運べる世界で唯一の手段だ。事故の原因究明のため、打ち上げは当面見送られると見られ、ISSの運用に影響が出るのは避けられない。

 ISSには通常6人の宇宙飛行士が滞在し、半年ごとに半数が交代している。宇宙滞在が長期に及ぶと無重力下の筋力低下や宇宙線による被ばくの影響が大きくなるためだ。現在滞在中の3人は今年12月に帰還予定で、それまでに交代要員を送れなければISSは無人になる可能性もあり、新素材の開発などさまざまな宇宙実験が滞ることになる。

 ソユーズロケットは1960年代に開発され、無人も含め打ち上げは1800回を超えるが、71年以降は死亡事故がなく、安定した実績で知られる。宇宙飛行士が緊急脱出する事態は、83年以来となる。ただ、昨年には日本のベンチャー企業が開発した人工衛星を載せた無人のソユーズロケットが打ち上げに失敗するなど、近年のロシアの技術力の低下を指摘する声もある。

 宇宙開発に詳しい沢岡昭・大同大名誉学長は「ソユーズが築き上げてきた神話が崩れた衝撃は大きい。成熟し切った技術のため、製造現場に若い人が入って来ず、世代交代できていないことも事故の背景にあるかもしれない」と指摘する。

 宇宙政策に詳しい鈴木一人・北海道大教授は「ロシアのものづくりの力が落ちて失敗した可能性がある。当面のISSの運用が難しくなることは間違いなく、有人宇宙開発の意義が改めて問われる可能性もある」と話した。【酒造唯、池田知広】

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