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総主教庁

ウクライナ正教会の独立容認決定

ロシア、ウクライナ両正教会の対立構図

 【モスクワ大前仁】キリスト教東方正教会の最高権威、コンスタンチノープル総主教庁(トルコ・イスタンブール)は11日、3世紀以上にわたりロシア正教会の管轄下に置かれてきたウクライナ正教会の独立を認める決定を下した。ウクライナ政府が独立を後押ししていた。ロシア正教会とその後ろ盾であるプーチン政権への打撃となるのは必至で、両国の対立が東方正教会の分裂の危機にまで及ぶ恐れが出てきた。

     ウクライナ正教会は17世紀後半からロシア正教会に管轄されてきたが、1920年代以降は3宗派に分裂し、うち2宗派が独立を求めてきた。コンスタンチノープル総主教庁は今回、この2宗派の要請を認めた。今後はこれらの宗派がウクライナ正教会の統合を主導する可能性もある。

     インタファクス通信によると、ロシア正教会の報道担当者は今回の決定が「一線を越え、世界の正教会の団結を乱している」と非難。ロシア正教会は既に、コンスタンチノープル総主教庁との一部交流を凍結しているが、関係断絶の可能性も示唆している。

     2014年からロシアの軍事介入を受けているウクライナでは、ロシア正教会からの独立を望んでいなかった宗派の教会管区でも反露感情が拡大。ウクライナ正教会の宗派統合が実現すれば、ロシアはウクライナでの宗教的基盤を失うことになり、痛手だ。

     またプーチン政権はロシア国内で、欧米的な価値観を排除し、保守的な支持基盤を維持する狙いで、ロシア正教会と密接に連携してきた。今回の決定は国内政治の面でもマイナス材料となりそうだ。

     一方、ウクライナのポロシェンコ大統領は今年に入り、ウクライナ正教会の独立の動きを後押ししていた。11日の決定を受け「モスクワの帝国主義的な幻想を打ち破った」と歓迎を表明。来年3月の大統領選で再選を狙うポロシェンコ氏は支持率低下に苦しんできたが、反転攻勢のきっかけにしたい考えだ。

     ただし今回の決定が即座にウクライナ正教会の独立に直結するかは不透明な面もある。コンスタンチノープル総主教は、カトリックにおけるローマ法王のような絶対的指導者ではなく、原則として各国の正教会トップと対等な立場とされる。今後、ロシア正教会が決定の不当性を訴え、他の正教会の支持を求めることも考えられる。

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