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社説

地球温暖化の報告書 上昇1.5度以内を目標に

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 地球温暖化の脅威に関する科学的な予測を直視し、脱炭素化の取り組みを強化してほしい。残された時間は限られている。

     国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめた特別報告書を読むと、そんな危機感に満ちた強いメッセージが伝わってくる。

     温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は、産業革命前に比べ地球の平均気温の上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えることが目標だ。

     報告書のポイントは、上昇が1・5度と2度との場合で影響がどう異なるのかを詳しく分析したことだ。

     それによれば、1・5度上昇に抑えても世界の洪水リスクは倍増し、サンゴ礁の7~9割が失われる。地球の平均気温は既に約1度上昇しており、2030~52年の間に1・5度に達する可能性が高い。

     一方で、2度の上昇に比べれば、海面上昇や熱波、干ばつなどの被害を受ける人々を大幅に減らすことができると結論づけている。

     IPCCはパリ協定からの離脱を表明した米国を含む195カ国が加盟しており、報告書は今後の国際交渉の科学的な土台となる。

     各国が国連に提出した温室効果ガスの削減目標が達成されても、2度目標の達成すらできないとされている。先進国も途上国も報告書を重く受け止め、12月に開かれる国連の気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)では、「1・5度」の実現に向けた協議を加速すべきだ。

     もちろん、達成は容易ではない。報告書によれば、人為的な二酸化炭素(CO2)の排出を30年には10年比で45%削減し、50年ごろには実質ゼロにする必要がある。

     だが、不可能とあきらめては、社会や経済への温暖化の脅威は増すばかりだ。国際社会がいま結束し、再生可能エネルギーの拡大や大気中のCO2の回収、ライフスタイルの変革に挑まなければ、次世代にかけがえのない地球を伝えられない。

     日本は温室効果ガスの排出量を30年に13年比で26%削減する目標を掲げるが、引き上げが迫られよう。

     来年の主要20カ国・地域(G20)首脳会議の議長国、20年の東京五輪・パラリンピック開催国としても、地球環境問題への対応で世界をリードする姿勢を示すべきだ。

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