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社説

きょうから新聞週間 極論と偏見を防ぐ公器に

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 新聞週間がきょうから始まる。

 情報をめぐる環境はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及などで急速に変化している。政治や社会の姿もネットの影響を抜きには語れない。

 ただし、懸念すべき点が少なからずある。

 さきの自民党総裁選で安倍晋三首相はテレビのニュース番組に先駆けて、出演者に首相援護派がそろう右派色の強いネット番組に出演した。メディアを選別し、自分の主張を受け入れる人々への発信を優先したとみられている。

 米国ではツイッターを多用するトランプ大統領が自らに不都合な情報をフェイクニュースと決めつけ、メディアを「国民の敵」呼ばわりして分断をあおっている。

 ネットで偏った情報を得るうちに他の情報から遮断され、狭い世界にはまっていく。そうしたタコつぼ現象はフィルターバブルと言われる。

 その現象が活字メディアに及んだのが、月刊誌「新潮45」の問題だった。ネットの言論空間で目立つ差別的な議論を大手出版社の雑誌までがLGBTなど性的少数者をめぐり加速させ、編集に必要なバランス感覚を失った。休刊に発展した事態を重く受け止めねばならない。

 だからこそ、極論を排し、健全なフィルターを通して報道することの重みはいっそう増している。

 先月の沖縄知事選では、引退した歌手の安室奈美恵さんが特定候補を応援したなどのデマがSNSで拡散した。沖縄の琉球新報や沖縄タイムスは情報を検証するファクトチェックを実施し、紙面で報告した。

 新聞はあやふやな情報、悪意のある情報をふるいにかけ、事実を確定させる役割を担っている。総務省の最新の調査によると、メディアで最も信頼度が高かったのはこれまでと同様、新聞(68・7%)だった。

 フェイクニュースや、過激で偏見をあおる情報は、民主主義の土台をむしばむ。丹念に取材し、幅広い議論や正確な事実を新聞が伝えることは、危険な風潮を社会に広げない防波堤を築くことにつながる。

 新聞は議論を深めるための公共財であり、情報のプラットフォームである。その役割を果たすことで、読者の信頼に応えていきたい。

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