連載

火論

社会部、ワシントン・エルサレム特派員などを歴任した大治朋子専門記者によるコラム。

連載一覧

火論

里の秋=玉木研二

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 <ka-ron>

 災害地の人々を、地域のラジオ局がきめ細かな情報発信や温かい語り、音楽で励ます。北海道の地震でも見られた。東日本大震災での活躍も記憶に新しい。

 敗戦直後にはラジオから流れた一曲の童謡「里の秋」が疲弊した人々の心に染みた。

 「静かな 静かな」で始まるこの歌は、子が母と2人、秋の夜にクリの実をいろりで煮ながら遠い父を思う。

 澄明な曲調とともに農村の秋を情緒豊かに歌い上げた詞として親しまれるようだ。だが元は日米開戦時、子が出征した父を思い、武運を祈り、自分も続くというような内容だった。作詞は千葉県の小学校教員、斎藤信夫(1911~87年)。「星月夜」と題し、童謡作曲家の海沼実(かいぬまみのる)(09~71年)に託した。

この記事は有料記事です。

残り685文字(全文1004文字)

あわせて読みたい

注目の特集