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社説

太陽光発電の「出力制御」 これでも「主力化」なのか

 九州電力が、一部の太陽光発電の事業者に対し一時的に発電を停止させる「出力制御」を実施した。太陽光の発電量が増えて需給バランスが崩れ、大規模停電(ブラックアウト)に陥るのを防ぐためだ。

 電気の需要と供給のバランスが崩れた時の怖さは、北海道のブラックアウトで示された通りだ。

 天候で発電量が左右される太陽光を受け入れている電力会社は通常、その発電量の変動に合わせて火力発電の出力を調整し、需給のバランスを取っている。

 しかし今回は、好天で発電量が増した半面、週末で需要が減ったため、火力の抑制に加え、余剰電気を揚水発電用や他の電力会社への供給に回しても調整し切れなかったという。

 太陽光の導入が急速に進んだ九電では、冷房需要が乏しくなる季節で、企業が休みになる週末に晴天になると出力制限が避けられなくなることは想定されていた。それにもかかわらず、制限を回避できなかった原因をしっかり検証する必要がある。

 原発もその一つだろう。九電は4基の原発を稼働している。政府のルールは、原発は出力調整が難しいとして太陽光の出力制限を優先させている。原発依存度低減という政策目標との整合性が問われそうだ。

 太陽光は九州や四国、風力は北海道や東北と、気象条件に恵まれた地域に立地が偏っている。一方、電気の大消費地は遠く離れた首都圏などの都市部である。再生可能エネルギーの導入が進んだ地域では今回と同様の制限が起きてもおかしくない。

 広域での電気の融通を増やすには、送電網を見直し地域間の連携を強化する必要がある。しかし数千億円規模の投資を必要とするため、電力会社はそれに見合う収益が見込めないとして二の足を踏んでいる。

 大容量の蓄電池や、余剰電力で水を分解し水素の形でためておく技術による解決も考えられるが、技術開発はまだ、採算が見合うレベルに達していない。

 政府は、エネルギー基本計画で再生エネを「主力電源化」する方針を打ち出した。再生エネによる電気を無駄にすることは国民感情としても抵抗がある。民間だけでは解決できない課題に主体的に取り組むべきだろう。

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