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毎日新聞
アスリート交差点2020

再現力 オフは一気に進化の時=陸上・山県亮太

 今季は8月にジャカルタ・アジア大会で自己タイ記録の10秒00で銅メダルを獲得するなど、シーズンを通じて成績が安定していました。1試合ずつステップアップを意識し、成長を実感できた年となりました。今月上旬の福井国体を最後にオフシーズンになります。陸上短距離は春まで半年弱、レースのない期間があります。秋から冬場の過ごし方や練習を紹介します。

 今年は国体後に約2週間の休養を取り、趣味のキャンプや釣り、旅行に行き、大好きな自然の中で解放感に浸ります。シーズン中は、精神的にピリピリして体以上に心が疲れるため、シーズン直後は「しばらく試合はいいや」という気持ちになります。来季へ向け、一度集中力を切り、リフレッシュする時間も必要です。

 しかし、休養中も暴飲暴食など練習再開後に響きそうなことは避けます。旅行中はトレーニングをしませんが、2週間の中で何も予定がない日もあります。そういう日は気分に応じて軽く走るなど体を動かします。現役を続けている以上、完全に競技のことを忘れることはないです。

 10月下旬からは鍛錬の期間となります。シーズン中は試合に合わせて疲労を抜くことも必要ですが、冬場は試合がしばらくないため、強度の高いトレーニングを思い切り行うことができます。負荷をひたすら体に蓄積させ、鍛えていきます。例えば、ウエートトレーニングでシーズン中は中3日空けるところを、オフシーズンは中1日で行うこともあります。2段階くらい一気に進化できる貴重な時期と捉えています。

 アジア大会ではスタートなどの手応えをつかみました。今年の冬はその走りを体に定着させたいとも考えています。一番怖いのは、けがをして積み上げてきたものが崩れることです。厳しい練習を行う一方で、左右の足の感覚が違うなど違和感があったときは練習を途中でやめる勇気を持つようにしています。

 走る技術はまだ完成形ではないですが、年々進化しています。東京五輪に向けても明るいイメージが湧いています。(あすはソフトボール・上野由岐子です)(タイトルは自筆)


 Q 気持ちが折れた時

 つらい練習に気持ちが折れることはありますか。その場合はどう乗り切りますか。

 M・Kさん(24歳男性)からの質問

 A 気持ちが折れそうになったことはないです。つらい練習はありますが速くなるために必要なこと。日ごろから精神的にも肉体的にも追い込んでいるため、うまく走れたときに喜びを感じられます。

 練習で予定の本数よりも減らす場合はありますが、練習で本数以外に設定した目的を達成した場合のみです。「何本走る」と決めた日は必ず走ります。目的を明確に持つことで気持ちが折れないのだと思います。


 ■人物略歴

山県亮太(やまがた・りょうた)

 広島市出身。2015年セイコーホールディングス入社。16年リオデジャネイロ五輪400メートルリレー銀メダル。昨年9月に日本歴代2位タイの10秒00を出した。26歳。