SUNDAY LIBRARY

岡崎 武志・評『名句の所以』『暮しの手帖』ほか

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今週の新刊

◆『名句の所以 近現代俳句をじっくり読む』小澤實・著(毎日新聞出版/税別2200円)

 間もなく、俳句の「季」は冬を迎える。「しぐるるや駅に西口東口」は安住敦の句。『名句(めいく)の所以(ゆえん)』で小澤實は、都会の大きな駅の「出口で時雨に肩を濡らしながら待ち続ける」光景と解釈する。五七五が冬の小さな情景を切り取る。

 子規から現代まで、300句を選び解説を付すのが本書。駒木根淳子「見る人もなき夜(よ)の森のさくらかな」は、福島の原発事故で立ち入り禁止になった「夜の森」のさくらを詠んだ句。再び「この地に帰りたい」という祈りをそこに見る。語の意味を丁寧に説明し、その背後にある心に触れる。

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