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余録

今日、世界で最も富が集積した土地は…

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 今日、世界で最も富が集積した土地はニューヨークのマンハッタン島だろう。だがその“原価”は24ドル相当のビーズや針に過ぎなかった。17世紀にオランダ人が先住民の無知につけ込み島と交換したのだ▲だが先住民もただだまされていない。実はこのカナーシー族は対岸のブルックリンに住み、マンハッタンの住人は別の部族だった。先住民の土地所有観念の乏しさに乗じたオランダ人は、かえって別部族との深刻な紛争を抱え込んだ▲こちらは現代の東京、マンション建設の適地である西五反田の土地である。その所有者や仲介役という男女に購入を持ちかけられ、代金を払ったところ所有者は別人だったのだ。警察は偽造文書行使などの疑いでグループを逮捕した▲「地面師(じめんし)」とはこの手の詐欺の集団をいう。戦後の復興期や土地バブルの時代によく聞いた言葉だが、最近は地価上昇や空き家増からまたまた暗躍しているという。驚いたのは、被害者が大手住宅メーカーの積水ハウスだったことだ▲被害額は約55億円、その間には土地の本当の所有者から警告が再三あったにもかかわらず担当者は取り合おうとしなかった。五輪バブルのさなかの格安購入話は社長主導で進み、いきおい社内でのチェックもおろそかになったようだ▲「コンゲーム」と呼ばれる詐欺師映画そのままに、不動産探し、文書偽造、なりすましなどの担当が事件ごとにチームを組む地面師である。土地取引のプロもだます巧妙さと悪知恵はいつ誰を狙うか分からない。

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