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記者の目

袴田事件 再審開始取り消し 公開で審理に透明性を=古川幸奈(静岡支局)

弁護士や支援者らが作ったメッセージボードの前で話す袴田巌さん(中央)と姉の秀子さん(左)=静岡市葵区で5月18日、古川幸奈撮影

 半世紀前に起きた「袴田事件」で死刑が確定した袴田巌元被告(82)の第2次再審請求即時抗告審で、東京高裁は6月、静岡地裁の再審開始決定を取り消す一方、地裁が決めた死刑と拘置の執行停止は維持する決定を出した。袴田さんを4人殺害の犯人と認めながら、「確定死刑囚」のまま社会の中で暮らし続けることは認める--。極めて異例な判断に、なぜ至ったのか。高裁の決定文からは十分な答えを見いだせなかった。弁護側は最高裁に特別抗告しており、日本の司法が最終的にどういう判断を下すのか、国内外の関心は高い。審理の過程や内容も貴重な公共の財産であり、可能な限り公開して共有できる仕組みが必要だ。

 1966年6月、静岡県清水市(現・静岡市清水区)のみそ製造会社の専務宅から出火。焼け跡から一家4人の他殺体が発見され、従業員で30歳だった袴田さんが強盗殺人などの容疑で逮捕された。袴田さんは逮捕から20日目に「自白」した。初公判で全面否認に転じた後は一貫して無罪を主張し続けたが、80年に最高裁で死刑が確定した。

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