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KYB

免震データ改ざん 不正装置設置、全国986物件 東海123物件

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 油圧機器メーカーKYB(本社・東京都港区)は16日、地震の揺れを抑える免震用と制振用の装置(オイルダンパー)の性能検査データを改ざんし、納品していたと発表した。不正な装置が設置された建物は全国のマンションや病院、学校など986物件に上る。同社は国土交通省の指示を受け、建物の安全性を検証した結果、「震度7程度の地震にも十分に耐えられることを確認した」と説明している。

     国交省は同日、KYBと子会社のカヤバシステムマシナリー(KSM)に対し、問題の装置の交換計画や再発防止策を報告するよう指示した。また、国交省は、免震装置メーカー88社を対象に検査データの改ざんの有無を調査するよう求め、年内に報告させる方針。

     KYBによると、2003年1月以降、出荷時の全数検査で、国交省の基準や顧客が指定した基準を満たさない装置の検査データを改ざんしていた。検査記録や聞き取り調査から少なくとも8人の検査員が関与していたという。

     改ざんは00年以降、続いていた疑いがあるが、03年1月以前の検査記録は残っていないという。こうした不正の有無が明確でないものも合わせると、不正な装置が設置されたのは免震用が903物件、制振用が83物件に上る。都道府県別では東京都が免震222、制振28▽大阪府が免震98、制振9--など。同社は不正の有無が明確でないものも含めて交換に応じる方針。

     今年8月、KSMの現場従業員が改ざんの疑いがあることを上司に報告して発覚。KYBは9月19日に国交省に自主申告した。改ざんした理由について、同社は「納期を意識して書き換えた、という証言がある」と説明している。また、07年にKYBからKSMに製造を引き継いだ際、検査担当者が改ざん方法も伝授していたという。

     KYBは免震・制振用オイルダンパーで国内トップシェアを持つ。自動車部品に加え、建物の免震装置に強みを持ち、東京駅や東京スカイツリーなど多くの公共施設に納品している。【花牟礼紀仁】

    全て交換、長期化も

     検査データが改ざんされた免震オイルダンパーは、大正時代の建築で耐震・免震化工事が進む大阪府庁本館でも採用されていた。府は国交省からの情報提供で把握したという。府によると2013~16年に府庁本館東館で5種類233基の免震装置を使い免震工事を実施。そのうち、1種類12基がKSMのダンパーだった。問題の装置は免震の主力の役割を果たすものではないといい、府の担当者は「直ちに影響を及ぼすものではない」と話した。

     東京スカイツリーもKSMの制振ダンパーを225基使っている。広報担当者によると、スカイツリーは中心を通る鉄筋コンクリート製の「心柱(しんばしら)」と外側の鉄骨が異なる揺れ方をすることで、地震や風による揺れを制御している。ダンパーは心柱と鉄骨をつなぐ部分や商業施設が入る建物に設置されている。担当者は「問題の製品が使われているのか、施工会社を通じて確認中」と話した。

     KYBは不正のあった装置を全て交換する方針だが、長期化が懸念される。【岡崎大輔、金子淳、森健太郎】

    東海123物件 ランドマーク、確認に追われ

     KYBと子会社が製造した免震・制振装置の性能検査データ改ざんで、名古屋駅(名古屋市中村区)周辺のランドマーク施設も、不正な装置が使われていないか確認に追われている。

     ミッドランドスクエアを管理する東和不動産は「製品が使われている可能性があり、建設に関わったゼネコンに確認している」。大名古屋ビルヂングを所有する三菱地所中部支店も「現在、事実関係を確認中」という。

     国土交通省によると、東海3県で不正な装置が設置されたのは、愛知県が免震86、制振7▽岐阜県が免震14、制振2▽三重県が免震14--の計123物件。【太田敦子】

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